本日は、VR(ボリュームレシオ)についてお話したいと思います。
ボリュームレシオは出来高をベースに計算します。計算方法は解説する本やサイトによってまちまちですが、おおむね以下のような計算方法です。ここでは、「テクニカル派のポータルサイト」の表記と踏襲して、VR[A], VR[B], 和光VRの3種類をご紹介します。
まず、最初の計算方法は、
ここで、U(n):n日間における株価上昇日の出来高合計
D(n):n日間における株価下落日の出来高合計
S(n):n日間における株価が同一日の出来高合計
n日間株価が毎日下落すれば、U(n)=S(n)=0となりますので、VR[A](n)もゼロになります。逆に株価が毎日上昇すればD(n)=S(n)=0となり、計算式の分母がゼロになりますので、VR[A](n)は無限大になります。上昇と下落が拮抗している場合には、100になります。
次の計算方法をご紹介します。
分母はn日間の出来高の和になりますので、分母は株価の動きと関係なく、ゼロになることはありません。n日間株価が毎日下落すれば、VR[B](n)がゼロになるところは同じでが、株価が毎日上昇した場合は100になります。上昇と下落が拮抗している場合には、50になります。
n日前の終値と現在の終値が同じ場合、RSIでは50になりますが、VRでは上昇日と下落日の出来高の状況によって変化します。極端な話、上昇日の出来高が圧倒的に多ければ、RSIでは50でもVR[B]では100に近くなります。
3番目の計算方法をご紹介します。
今度は、n日間株価が毎日下落すれば-100に、株価が毎日上昇した場合は100になります。上昇と下落が拮抗している場合で、株価が変わらない日がなければ0になります。しかし、株価が変わらない日があれば、上昇と下落が拮抗している場合でもマイナスの値になるところがちょっと不思議です。
個人的には、VRを使うのであれば、VR[B]が最も妥当ではないかと考えています。VR[A]は無限大になってしまうため使いにくいと思います。和光VRは株価が変わらない日の取り扱いに疑問が残ります。
VR自体の使い方はいろいろあるようですが、VRが高いと買われすぎ、VRが低いと売られすぎとみて、RSIに似た逆張りの指標として使われることが多いようです。かの有名な3点チャージでも、買いシグナルにVR[A](25)が75以下という条件が含まれています。
3点チャージ投資法については、こちらをご参照ください。
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