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中京区の自転車通行帯、走りにくい

(05月24日 10:34)

 自転車と歩行者との接触事故を防ぐ目的で、京都市が烏丸通の丸太町-御池間(京都市中京区)に設けた自転車通行帯が、うまく機能していない。昼間を中心に自動車の駐停車が相次ぐため、自転車が車道に大きくはみ出したり、歩道を走らざるを得ない状態が続いている。

 市は3月15日、烏丸通の両側で、約700メートルにわたって車道の端約2・5メートルを赤茶色にカラー化して自転車通行帯にした。総費用は約1900万円。

 市によると、この自転車通行帯は自転車専用レーンではないため、停車やオートバイの走行は認められている。通行帯の横の歩道は今まで通り自転車の通行が可能だ。

 記者が23日夕に確認したところ、烏丸通の丸太町-御池間の両側に計18台の車がとまっていた。13日昼は計19台あった。烏丸通で禁止されている駐車のほか、タクシー客の乗降や営業車の荷さばきだった。

 自転車利用者は車両を避けるため、大きく車道側に出ざるを得ない。危険を避けて、歩道を走行する自転車が目立つ。通行帯を自転車で走っていた輸入販売業中嶋一平さん(27)=上京区=は「歩行者の邪魔になりたくないので通行帯を走っているが、車が行く手をふさぎ危険を感じる。(通行帯を敷いた)意義を全く感じない」と話した。

 自転車活用推進研究会(東京都)の小林成基理事長(64)は「自転車が安全に通れる環境を整えなければ、自転車通行帯にしただけでは(自転車と歩行者の分離問題は)解決しない」とした上で、「ボランティアを動員して常に注意を呼び掛けるとか、荷さばき用の駐車場を造るなどの対策をすべき」と指摘する。

 市は2015年度までに段階的に塩小路までの約3・3キロの車道に自転車通行帯を延ばす計画だ。市は今月、府警と協力し、街頭で、ドライバーに通行帯での駐停車を避けるとともに、自転車の利用者に通行帯を走行するよう呼び掛けた。市道路環境整備課は「車を止めにくい環境をつくりたい。府警と協力して啓発活動を続けていく」としている。

[京都新聞社]

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