最も信用できるメディア調査 NHK30.1%、民放6.6%、「ない」が31.9%

2013年4月、新聞通信調査会が2012年に行った「メディアに関する全国世論調査」の結果を発表し、雑誌を除くすべてのメディア(NHK、民放、新聞、ラジオ、インターネット)の信頼度が調査開始(2008年)以来最低となりました。

2011年に発生した東日本大震災時の原発報道などを巡ってマスコミの報道姿勢に疑問を感じる声が高まり、インターネットでは“マスコミ”をもじった「マスゴミ」などという表現もしばしば登場しますが、それでも国民が「一番使用できる」と感じているニュースソースは何なのでしょう? そこで、「あなたが『最も信用できる』と思うメディアはどれですか?」と質問してみたところ、以下のような結果となりました。

・NHK:30.1%
・民放のテレビ:6.6%
・新聞:18.4%
・ラジオ:2.5%
・雑誌:0.7%
・インターネットのニュースサイト:5.3%
・インターネットのクチコミ:2.8%
・2ちゃんねるなどのインターネット匿名掲示板:1.9%
・この中にはない:31.9%

(リサーチパネル調べ、14万8107人が対象)

あらゆるメディアを押しのけて1位になったのは「この中にはない」という回答でした。メディアに携わる人間にとっては非常に厳しい結果となったわけですが、年代別に見てみると、信用できるメディアにも傾向が現れています。

全体の傾向としては、若者よりも年配者の方が、メディアに対する信用度が高くなっています。10~40代までは全て「この中にはない」がトップですが、50代以上では「NHK」がトップになり、70代では53.2%の人が「NHK」と回答。「この中にはない」と答えた人が最も多かったのは20代(37.5%)でしたが、70代以上では2割以下になっています。

一方、インターネットについては、若者のほうが「信用できる」という回答率が高く、10代では「2ちゃんねるなどのインターネット匿名掲示板」と回答した人が5.4%いました。この選択肢を選んだ人は年齢が上がるにつれて減っていき、50代以上では1%以下に。生まれた時からネットに親しんだ10代の若者の一部にとって2ちゃんねるや匿名掲示板は「信頼に足るもの」となっているようです。

それぞれの回答に寄せられたコメントを見てみると、「信用できるメディアがある」と回答した人からは、

【NHK】
「一番冷静な報道をしていると思うので」
「いざという時はやはりコマーシャルの無い方が・・・ 民放はバックの意向があるようで」

【新聞】
「一般的にはこれじゃないかな?」
「他のメディアで聞き流し翌日新聞で確認する」

【インターネットのクチコミ】
「自分で勉強してそこからネットで拾い集めて分析するしかないね」
「一般の正直な意見として信じられるかな」

【2ちゃんねるなどのインターネット匿名掲示板】
「公共のメディアは、隠ぺい体質で都合が悪い事は、報道しない」
「ネットの情報は吟味できれば一番信用性が高い」

といった声が上がっているのに対し、「この中にはない」と回答した人からは、

「マスコミはどれも信用ならん」
「どれも情報操作できるでしょ」
「最も信用できる事実は『メディアは信用できない』ということです」

と、辛辣な意見が多数寄せられています。「メディアは信用するモノじゃなくて参考にするモノだ」「どれも参考にするだけです」というコメントもあり、メディア多様化によって、その役割も変わりつつあるようです。

(文/瞬刊!リサーチNEWS編集部・セルジオ苺)

【関連リンク】

カテゴリー: コラム, 社会   パーマリンク

コメントは受け付けていません。