トラッキーと喜ぶ阪神・マートン=QVCマリン(撮影・岡田亮二)【拡大】
蓄積疲労がたまる初夏の時期をどう乗り越えるか。不振にあえいだ昨季の同じ轍は踏みたくない。やるべきことをこなす大切さを心に刻んでいる。遠征先でのウエートトレにも流儀があった。
球団関係者は「1週間単位でメニューを自分で決めている。この週は上半身、次の週は下半身とか」と説明する。関東遠征中もジムに足を運んだ。千葉に移動しての練習日となった21日。中堅から右翼方向に白球を飛ばした。和田監督は「一昨日の練習から兆しというか、かなり振れてきていた。それが試合に出たね。この2日間」と復活を確信していた。
打撃練習中にアクシデントがあった。味方野手が放った打球がスタンドにいた小学生ぐらいの女の子の頭部に直撃した。M砲は左翼で打球を受けていたが、異変に気づき、医務室に駆け込んだ。少女は阪神ファンだった。打撃用の手袋をプレゼント。一本一本のヒットには少女への思いも込められていた。
「タイガース、ウインガ、イチバンネ。巨人? (まだ)ゴガツネ。ロングシーズン。シーズン終わったときに、いい形で終わりたい」
首位・巨人と2ゲーム差。まだ5月。期待してしまう。4番が打てば勝つ。短い赤毛が潮風に揺れた。(阿部 祐亮)
(紙面から)