七回、遊撃への内野安打で出塁した西岡。足に不安がある中、懸命の全力疾走で追加点をもたらした(撮影・鳥越瑞絵)【拡大】
(セ・パ交流戦、ロッテ1-7阪神、2回戦、阪神1勝1分、23日、QVCマリン)マリンの風を切り、最後は倒れるような前傾姿勢で一塁に駆け込んだ。セーフ!! 5-1で迎えた七回先頭、阪神・西岡は遊撃内野安打で貴重なダメ押し点につなげた。
「展開としてあそこでもう1点ほしい。点が取れないと流れが変わってしまう」
状態の悪い左脚を気にせず全力疾走。患部のコンディションについては「いうことじゃない」と言及を避けた。一死後、鳥谷の左飛を荻野貴が落球すると、二、三塁間から一気にギアを挙げ、三塁を蹴って6点目のホームを踏んだ。三回先頭では中前打、八回一死一塁でも中前に弾き返し、今季7度目の猛打賞をマークした。
「きのう、ああいう試合をしたので大きい」
前夜は最大5点差を追いつかれドロー。中押し点が奪えなかったことが響いた。同じ轍は踏むまいと、リードオフマンがダメ押し点をもたらした。思い出深い球場で、元気な姿をみせた。元チームメートの井口も阪神での“西岡効果”を実感した。
「ホント、ツヨシが入っていい雰囲気になっているし、明るいよね。でも、アイツはすぐに調子に乗るからなぁ(笑)」
先輩が走者として二塁ベースにくると、うれしそうに話しかけた。ツインズでの1年目、2011年も最後はマイナー。9月にシーズンが終わると、フラリと古巣を訪問。井口に「メジャーは厳しいとこですね」と、しみじみと話した。帰ってきた千葉ではかつての仲間と熱烈なファンに健在をアピールした。
「アウェーで勝ち越して帰れるのは大きいこと」。帰り際、バス横に押し寄せたファンからはツヨシコールがわき起こった。カーテンを開け、手を振って応えた。多くの虎党に交ざり、7番をつけたロッテのユニホームも数多くあった。両チームに愛される男、それが西岡だ。(山田 結軌)
(紙面から)