東急と政治宣伝

東急エージェンシーには不明朗なウワサが付きまとう。「首脳部の一部が国会議員や都議、区議、区長らと昵懇らしい」「財界人や大企業の言う通りになる」との話がある(「葛飾区「指定管理者談合疑惑」追及第6弾! 東急エージェンシーを選出した不明朗な選出基準」東京アウトローズWEB速報版2005年12月11日)。

 

東急エージェンシー、柳沢伯夫への裏献金に関与か

東急エージェンシーは柳沢伯夫(柳澤伯夫)・厚生労働大臣(当時:金融担当大臣)への10億円の裏献金に関与したと指摘された。柳沢大臣は「女性は生む機械」という女性蔑視発言をした人物である。

裏献金は最初、怪文書として永田町に出回った。「イトーヨーカ堂が東急エージェンシーを介して柳沢伯夫金融担当大臣に10億円の口利き料を提供していた」との内容である(「【企業研究】アイワイバンク銀行 収益性に疑問符、前途は多難」ベルダ2002年6月号)。東急エージェンシーが税務調査で指摘された申告漏れ10億3000万円分が、柳沢大臣に渡ったとする。衆議院財務金融委員会(平成14年7月9日)においても質問された。きっこの日記「カメムシ大臣の裏の顔」2007年2月5日にて改めて紹介された。

 

東急エージェンシー、所得隠しで脱税

東急エージェンシーは東京国税局の税務調査(2002年4月上旬)で2001年3月期までの5年間で計約10億3000万円の申告漏れを指摘された。申告漏れの大半が悪質な所得隠しと認定され、追徴課税額は重加算税を含め約8億4000万円に達した。

東急エージェンシーが、取引先を接待した際の飲食代やタクシー代を、課税対象にならない社内の打ち合わせ費用に見せかけ、経費として計上、本来は交際費にあたるものを虚偽の領収書を提出するなどして隠蔽したと、国税局は認定した。同社は2001年にも、架空経費の計上で1億2000万円の所得を隠したと国税局から指摘を受けており、経費の水増し計上が恒常化している実態が浮き彫りになった。

 

衆議院財務金融委員会-23号 平成14年7月9日

○五十嵐委員 これはかなり業界の中で流布されているうわさがあり、また、それだけではなくて、関係の雑誌等にいろいろなことがシンワオークションについては書かれております。これについては、さらに調査をさせていただきたいというふうに思います。

 あと、時間が少なくなってまいりましたけれども、柳澤大臣をめぐるいろいろなことが最近週刊誌等をにぎわしておりますけれども、一番問題となるアイワイバンクの問題についてただしておかなければならないと思います。

 

 この問題、私、四月時点で毎日新聞の記事で御質問をこの委員会でさせていただきました。ことし四月十日付の毎日新聞なんですが、昨年三月期までの五年間に東急エージェンシーで十億三千万円の申告漏れがあり、八億四千万円の追徴をされたという記事が載りました。

 

 この東急エージェンシーに詳しい人に証言をいただいたところによると、二〇〇一年七月から国税の調査が入り、そしてイトーヨーカ堂への七千万円の裏金供与が判明をしたということなんであります。そして、その直後から三、四カ月の間、七月から十月までの間ですから四カ月間ですか、東急エージェンシーでも内部調査を行ったそうであります。

 

 結論からいくと、東急エージェンシーは、以前にも実は若林さんという副社長を中心に摘発をされました同様の脱税行為がありまして、これはやはりイトーヨーカ堂とセブンイレブンがかんでいるわけですが、セブンイレブンの店頭プロモーションですかね、イトーヨーカ堂関係の店頭プロモーションをピンはねして、販促開発という会社を通じて、指定する三つのこれは芸能プロダクションに裏金が流れ、それがイトーヨーカ堂に回ったということがありました。  これが今度は、今回の摘発に関しては、スコープという会社が東京・新宿区築地町にございます。横山寛さんという社長さんなんですが、東急エージェンシーの関連の広告代理業者さんであります。このスコープという会社を使って同様に、今申し上げましたプロダクションを使ったのと同様の裏金捻出が行われて、それがイトーヨーカ堂に流れた、こういう話で、それがどこへ流れたかという問題が出てきたわけであります。東急エージェンシーに派閥争いがありまして、どうもその派閥争いの中から内部告発が流出をしているというのがスタートのようであります。

 

 私のところには、実は昨年の十一月か十二月時点でこの内部告発の文書が届いておりました。そのイトーヨーカ堂が、過去にも東急エージェンシーを通じて裏金をつくってきた、そういう会社だということがそこからは想定をされるわけですが、一方で、イトーヨーカ堂は、アイワイバンクの設立に関していろいろな政治的な働きかけをしているわけであります。

 

 これも実はアイワイバンクの当時の関係者の証言を二人ばかり伺っております。一人の人は、アイワイバンクの免許取得難航の一因は、日銀出身の、銀行設立準備室のプロジェクトリーダー、畑山さんという方なんですが、その方が金融当局や他の銀行との関係を悪化させてしまった、そのことが原因なんで、二〇〇〇年五月にセブンイレブンの氏家さんという方をプロジェクトリーダーに据えて、事実上は鈴木敏文イトーヨーカ堂社長が直轄のような形で関係再構築を進めたんだ、そして、幹部間ではしばしば自民党政治家の名前が出たという証言をいただいているわけであります。

 

 それから、もう一人の証言は、九七年当時、セブンイレブンに共同ATMをつくる設置構想が生まれたんだけれども、九九年に新銀行設立方針に変更になった。そのときに、越智通雄金融再生委員長が反対をし、特に他の銀行では三菱の岸暁頭取が強い反対を表明した。そこで暗礁に乗り上げたということで、ちょうど先ほど申し上げました証言と符合するわけですが、二〇〇〇年三月ごろに、佐藤信武イトーヨーカ堂副社長をトップとして、畑山さんからプロジェクトリーダーを変更させて、竹本繁常務、これはもと瀬島龍三さんの秘書さんを務めたという方でありますが、それから有名な長野厖士さん、元大蔵省の証券局長、この三人をメンバーとして政界工作を行ったという証言が出てくるわけです。

 

 そして、二〇〇〇年十二月の柳澤金融再生委員長就任から確かにこの話が軌道に乗りました。そして、二〇〇一年四月の予備免許取得に至るわけであります。柳澤さんにトップがかわってから予備免許へ向けて話が急速に進んだ、そしてそれはこうした政界工作の成果であったというような、そうした証言が得られているわけであります。

 

 一方、イトーヨーカ堂について、私は、この免許問題について幾つかの問題点があると思うんですね。一つは、機関銀行化しないかということが一つであります。

 

 それから、三年以内に黒字転換しなければいけないという基準がありまして、その三年以内の黒字転換は非常に難しいものですから、全国八千店のセブンイレブンのATMと結んで、それは大変銀行にとって魅力的なわけですけれども、それの接続料を銀行からたくさん取らないとこの黒字転換が望めないということで、十五億円でしたか、大変大きな設定をしたということで、これが銀行側の反発を招いてこれが進まなくなってしまった、こういう経緯があるんです。

 

 それともう一つ、このアイワイバンクには、私、やはり銀行経営者の適格要件の問題があるとも思うんですね。というのは、イトーヨーカ堂は、シジミを北朝鮮から輸入して足利銀行を通じて二十億円の振り込みを行うなど、北朝鮮と非常に関係が深い企業でありまして、伊藤雅俊名誉会長さん、創業者ですが、総連系のイベントに小まめに出席をされていた過去があるということもありまして、これはやはり、こういう北朝鮮と関係の深いところが銀行を直接持つということについては、私は疑問が残る。いわゆる朝銀問題とつながるような問題が生じる、こういうふうに思っておりまして、そういう意味からも問題があるというふうに思っているわけであります。

 

 そして、先ほど瀬島さんの秘書をやられた竹本繁常務という話をいたしましたけれども、この竹本さんという方は中曽根臨調の事務局に出向していたわけでありますが、そのときに、いわゆる経世会の担当だったわけです。そして、経世会の担当で、同時に、東急エージェンシーからも同様にそのころ実は臨調事務局に出向していた方がおられまして、そこで結びつきも一方ではできた。いわゆる経世会とイトーヨーカ堂と東急エージェンシーの接点というのがそこにもあるわけであります。

 

 もともと東急エージェンシーとイトーヨーカ堂とは、東急エージェンシーが四百億円、毎年、宣伝広告事業にイトーヨーカ堂から請け負っているという、大手のクライアントと業者という関係にあるわけでありまして、今申し上げた事実関係からいいますと、これは大変不透明な部分が出てくるわけであります。

 

 もう一つ証言があるわけでありまして、前野徹東急エージェンシーの元社長がおられるんですが、この方のことはほとんど知らなかったというふうに前回の質問で大臣はおっしゃられましたけれども、この前野元社長が鈴木敏文ヨーカ堂社長から依頼を受けまして、アイワイバンクがとまっちゃったときに、作業がとまったときに、野中広務氏を紹介した。そして野中さんが柳澤さんを鈴木さんに紹介したというような、そのような証言が実はあるわけでありまして、これは本当かどうかわかりませんよ。

 

 そこで、こういう今までの登場人物の一連のつながりというのが一応形の上で浮かび上がってくるわけですが、野中さんから柳澤さんが、鈴木社長ないしイトーヨーカ堂を紹介されたというようなことが、事実があるかどうかから伺いたいと思います。

 

柳沢金融担当大臣に関する文書

東急エージェンシーが国税庁に10億円の申告漏れを指摘されたことが明らかになったが、この10億円の内実について重大な事実が取り沙汰されている。

 

国税庁では、この10億円が、イトーヨーカ堂から柳沢金融担当大臣への裏献金であり、献金をマネーロンダリングするためのトンネルとして東急エージェンシーが利用されたという事実を把握している。

 

イトーヨーカ堂は東急エージェンシーの重要なクライアントであり、東急エージェンシーはイトーヨーカ堂の依頼を断ることのできない関係にある。

 

国税庁は、現職大臣の汚職事件に発展する重大な問題であることを認識している。 その処理の仕方によっては、スキャンダル続きの小泉政権がいよいよ崩壊する引き金になる可能性が出てきた。

 

資金捻出の実働部隊となったのは、東急エージェンシーの関連会社である株式会社「S」(新宿区築地町●Tel 3269-●●●●)。 同社の「Y・H」社長が、毎年2億円を5年間に亘って捻出した。

 

同社は、東急エージェンシー、イトーヨーカ堂、セブンイレブンを主要販売先とする広告代理店。 「Y」は1932年生まれ、住所は新宿区下落合●-●●-● Tel 3954-●●●●。 送金ルートには足利銀行が利用されている。 献金の背景にある請託は、 I Y バンクの銀行免許取得に絡むものである。

 

すなわち、1999年11月、イトーヨーカ堂が決済専門銀行 I Y バンクの設立を決め、金融再生委員会への打診を開始したが、銀行免許取得が難航し、実際に開業したのは2001年5月であった。 この際、イトーヨーカ堂が政界工作のため東急エージェンシーに用意させたのが、今回申告漏れを指摘されたカネである。

 

I Y バンクへの免許付与について、当初越智金融再生委員長(1999.10.5ー2000.2.25)は慎重姿勢であったが、谷垣金融再生委員長(2000.2.25ー2000.7.4)は積極姿勢を示した。 しかしその後、相沢金融再生委員長(2000.7.30ー2000.12.5)を経て柳沢金融再生委員長(2000.12.5ー2001.1.6から金融担当大臣)が就任した後も、免許取得は難航した。

 

結局2001年4月になってようやく I Y バンクは予備免許を取得、5月に開業した。 なお、 I Y バンク社長は元日銀理事で特別公的管理下にあった旧長銀頭取の安斎隆氏であり、安斎氏もこの工作に相当深く関わっている。

 

イトーヨーカ堂の鈴木敏文社長の依頼により、前野徹・元東急エージェンシー社長が野中・元自民党幹事長を鈴木社長に紹介、野中・元幹事長が間に入って、鈴木社長と柳沢大臣の関係を取り持った。 10億円は、柳沢大臣、野中・元幹事長に対する謝礼である。

 

また、東急エージェンシーは、柳沢大臣の大蔵官僚時代からのスポンサーでもある。 さらに、柳沢大臣の「N」夫人は東京芸大出身の版画家だが、夫人の版画を高く販売して政治資金を捻出することでも、「S社」が暗躍している。

 

都道府県会館の裏にあるヒルクレスト平河町●●●号室に柳沢大臣の個人事務所がある。 政策担当秘書の松永晴行氏は、ここを拠点として、「S社」の協力も得て、資金集めや「N」夫人の版画の販売を行っている。

 

柳沢大臣の政治資金管理団体「柳沢伯夫後援会」の2000年収入は4,459万円。

そのうち寄付は485万円、パーティ収入が3,952万円。 他に「伯友会」、「伯政会」なる団体がある。

 

国税庁にこうした情報を提供したのは、柳沢大臣と袂を分けた「N・K」氏であり、「N」氏は、旧長銀処理を巡って安斎氏とも関係が深い。 「N」氏は※※エンタープライズ(虎ノ門●-●●-●※※ビルTel3504-●●●●)という会社の元会長。

 

東急エージェンシーが国税庁に指摘された申告漏れの10億円、すなわち、 I Y バンクの銀行免許取得に絡むイトーヨーカ堂から柳沢金融担当大臣への裏献金の背景が徐々に明らかになってきた。

 

具体的に柳沢金融担当大臣に渡ったのは10億円のうち5億円とみられる。 イトーヨーカ堂は1999年暮れ頃から銀行業への参入計画を始動させたが、金融界から多額の献金を受けていた当時の越智「手心」金融再生委員長や東京三菱銀行の岸・元頭取が強硬に反対、計画は頓挫しかかった。

 

事態打開のために、イトーヨーカ堂は柳沢金融担当大臣と野中・元自民党幹事長に5億円ずつの裏献金を行い、政界工作による銀行免許取得に成功した。

 

政界工作は、イトーヨーカ堂の鈴木社長が直接指揮を執り、佐藤副社長と竹本常務が実働部隊として奔走した。 竹本常務は瀬島龍三氏の秘書を務めたこともある人物で、旧経世会と関係が深い。 また、政界工作には大蔵省元証券局長の「接待王」長野厖士氏が暗躍した。

 

長野氏は旧大蔵省の暗部に関して完黙していることから、財務省も弁護士登録した長野氏に顧客を紹介するなど、手厚い保護を行っている。 こうした関係から長野氏がイトーヨーカ堂の銀行免許取得の件でも間に入り、請託に成功した長野氏はイトーヨーカ堂や、旧大蔵省の先輩である越智・元金融再生委員長や柳沢金融担当大臣から多額の報酬を得た。

 

長野氏は、こうした事情から弁護士登録直後から羽振りがよく、新橋界隈で若い女性を連れ回して飲み歩いている姿をよく目撃されている。 また、この件で長野氏の走狗として活動した霞ヶ関舎弟の原口金融庁総務企画局長は、次期金融庁長官の座を確実なものにしたと言われている。

 

もっとも、裏献金のマネーロンダリングのルートとして使われた東急エージェンシー社内の派閥抗争から、こうした情報が漏れ始めている。

 

東急エージェンシーの反主流派は一連の政界工作をキャッチし、柳沢金融担当大臣やイトーヨーカ堂の鈴木社長と関係が深い主流派潰しを狙い、国税庁に情報を提供した。 しかし、国税庁は柳沢金融担当大臣の指示でこの情報を握り潰し、単なる申告漏れということで疑惑に蓋をした。

 

そこで、反主流派は次なる策に出た。 イトーヨーカ堂の銀行業への参入に強硬に反対した東京三菱銀行の岸・元頭取に一連の情報を流した。 岸・元頭取には2つの野望がある。 ひとつは日銀総裁の座を射止めて金融界のドンになること、もうひとつはみずほグループを無条件降伏に追い込んで吸収することである。

 

岸・元頭取は官邸に一連の情報を報告し、柳沢金融担当大臣のスキャンダルを未然に揉み消すよう進言、官邸に多大な恩を売った。 小泉首相は岸・元頭取のふたつの野望の実現に内諾を示したが、今度はみずほグループの反撃が始まった。

 

みずほグループは東京三菱銀行の軍門に下ることをよしとせず、旧第一勧銀浜松支店に柳沢金融担当大臣のファミリー企業の裏口座があることを暴露しようとしている。

 

その口座には、柳沢金融担当大臣が夫人の「版画ころがし」の資金や、裏金作りのために使っているミネルヴァ投資顧問の資金がプールされている。

 

柳沢金融担当大臣の地元静岡県内のほとんどの銀行店鋪には柳沢夫人の版画が掲げられている。 柳沢金融担当大臣はこうして集めた裏金をミネルヴァ投資顧問で運用させている。

 

ミネルヴァ投資顧問は、柳沢金融担当大臣が金融再生委員長時代に突然委員長秘書官として民間から登用した倉田陽一郎氏が一時社長を務めた。 倉田氏は、ミネルヴァ投資顧問を使った資金環流ルートを構築した後、形式的には同社を離れ、現在は絵画売買を行うシンワアートオークション株式会社の社長に転身した。

 

シンワアートオークションは昭和62年に発足した美術品の業者交換会「親和会」が前身である。 バブル崩壊後に多額の債務を抱えたものの、破綻すると、同社を通じて裏金作りを行った多くの自民党政治家のスキャンダルが表に出るため、同社は与党・旧大蔵省の保護下にある。

 

同社の取引銀行は、三井住友、東京三菱、みずほ、UFJの4大バンクに加え、あさひ銀行(りそな)とあおぞら銀行であり、金融庁保護下にあることは明らかである。 これでは柳沢金融担当大臣も大手行に対する厳格な特別検査ができない。

 

しかし、同社の絵画売買を巡って多額の損失を被ったマル暴筋の大物もおり、今後の展開は予断を抱けない。 特捜が動くか、マル暴が動くか、いずれにしても小泉政権の喉仏にまた骨が突き刺さった。 金融界を私物化している柳沢金融担当大臣に天誅を下す国士がいることも忘れてはならない。 

 

東急エージェンシー、東京商工会議所選挙で偽装投票

東急エージェンシーは04年6月、東京商工会議所(東商、山口信夫会頭)の議員選挙で、巨額の裏金を使い偽装投票した。商議所の議員となる会社を選ぶ選挙で、東急エージェンシーの営業局長らが取引先のイトーヨーカ堂を支援するため、東急エージェンシー社員らに個人事業主を装わせて東商に入会、投票させていた。

仮装投票したのは97年と00年で、それぞれ約1000万円、1400万円の裏金を使用した。裏金は東急側が取引の中から捻出していた。候補となったのはイトーヨーカ堂で、同社及びグループ会社セブン−イレブン・ジャパンの会長兼最高経営責任者・鈴木敏文氏(71)が代表だった。

 

東急エージェンシーの社内調査や関係者によると、同社側の担当社員らは、同僚らを個人事業主と装って入会届を東商に提出。加入金と年会費は裏金で負担していた。その後、東商から選挙の投票券にあたる「入場券」がそれぞれ届くが、担当者はそれをまとめてセブン−イレブン・ジャパン側に渡し、同社が代理となる形で、イトーヨーカ堂に一括して投票していた。

 

東商は「選挙制度を利用して仮装していたとすれば遺憾だ」として事実関係の調査に乗り出す方針だ。定款では個人事業主の入会要件を「東京23区内の商工業者」としており、裏金による仮装会員は定款に抵触する。

 

朝日新聞のスクープである。朝日新聞は2004年6月21日朝刊の一面トップで報道した。既に噂の真相2001年5月号「使わなかった一行情報」には「東急エージェンシーW副社長とセブンイレブン総帥の癒着の告発文書が」と記載されていた。

 

本件について東急エージェンシーは以下のリリースを発表した。「株式会社セブン-イレブン・ジャパンはもとよりイトーヨーカドーグループは、本件に全く関与しておらず、イトーヨーカドーグループおよび候補者の知らないまま、イトーヨーカドーグループ代表の候補者があたかもそれによって議員当選したがごとき誤解を与えかねない状況を招いたことに対しまして、衷心より深くお詫び申し上げます」(株式会社東急エージェンシー・代表取締役社長久保恭一「謹告」平成16年6月22日)。

 

仮装投票で東急エージェンシーの票数突出

東京商工会議所(東商)の97、00年の議員選挙をめぐる仮装投票問題で、候補となったイトーヨーカ堂を支援するため、グループ会社のセブン−イレブン・ジャパンに選挙協力をした取引先の中で、東急エージェンシーの票が突出していたことがセブン−イレブン・ジャパンの内部文書で分かった。文書は、同社の取引先ごとの票数が記載されており、「貢献度」を示した形だが、同社は「票数は取引には何ら影響がない」と話している。

朝日新聞社が入手した文書は、97年と00年選挙の集計表。IY(イトーヨーカ堂)やSEJ(セブン−イレブン・ジャパン)、DJ(デニーズジャパン)など「IYグループ」の企業名を挙げて各票数が記載されている。例えば97年選挙の場合は、セブン−イレブン・ジャパンが6605票で「前回比201%」とある。他のグループ会社は94〜138%だった。

 

もう1枚の文書は「大口寄票先リスト」などとし、セブン−イレブン・ジャパンについて、取引先の票数が記載。うち、東急エージェンシーは97年の選挙で1913票、00年の選挙では3064票。2位の取引先は97年が275票、00年が277票で、東急エージェンシーはいずれも10倍前後の票を獲得していた。

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