第15話 『明石』級特殊工作艦
夢幻諸島 第05エリア 航空機開発研究所
神埼青葉
「おいおい。どう言う事だ、それは」
佐藤
「じ、自分にもよくは分かりませんが、現在の所、分かるのは――」
石嶺
「突然、巨大な戦艦が現れた――と言う事だけですね」
神埼青葉
「分かった。その正体不明の戦艦に対して、艦隊を始めとする派遣部隊を送りつける。念のため、現時点で最強を誇る『キルケー』部隊の導入と実弾配備で行かせる」
――1時間後――
夢幻諸島本島の海軍工廠より第一機動艦隊が、第05エリアからは異例の実弾装備の11式可変式機動戦闘機『キルケー』二個大隊32機が発進していく。
尚、航空隊の編成は独特で、一個分隊2機、二個分隊で一個小隊4機、二個小隊で一個中隊8機、二個中隊で一個大隊16機、四個大隊で一個航空連隊64機、二個航空連隊で一個航空団128機、二個航空団で一個航空師団256機と言う編成となっている。
第一機動艦隊 機動戦艦『大和』 艦橋
神埼青葉
「壮大な光景だな……」
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「やれやれ。たった一隻の戦艦相手に、一個機動艦隊と『キルケー』二個大隊32機は過剰過ぎるのではないでしょうか?」
神崎に言うのは、『大和』艦長の神原燈花海軍大佐である。
神埼青葉
「確かにな。あまりに過剰かもしれないが、相手が何処の所属の戦艦で、いつ攻撃されるかわからないからね。何も無ければ、それこそ“平和的”に解決できる」
神原
「最悪の事態に備えて…と言う事ですね」
神埼青葉
「そう言う事だ――見えて来たな。正体不明の戦艦とやらを。拡大映像を頼む」
海軍士官A
「了解しました」
士官が手慣れた手捌きでキーボートを打ち込み、艦橋に備え付けられている大型スクリーンに拡大映像が流れる。
神埼青葉
「こいつは……」
神原
「なんとも奇妙な戦艦ですね」
スクリーンに映し出された戦艦――それは彼らが言う通り、奇妙な形をしている。一目見た感じでは水上艦艇とは言い難い――まさに、“宇宙戦艦”とも言える形をしているからだ。
特徴としては、大きく張り出した4基の巨大なカタパルトと4基の巨大な格納庫が船体前方に備わっており、格納庫上部に三連装主砲塔2基ずつ、船体後部に同主砲砲塔2基が備え付けられており、さらに外側の格納庫の左右に展開された長砲身の連装副砲らしき砲塔が存在している、両舷や船体に四連装砲身の高角砲やCIWSと思わしきガトリング機関砲が存在している等、見れば見るほど首を傾げてしまう。
神埼青葉
「あぁ。おまけに、ここから見たあの戦艦の全長は、およそ600から650メートル位はあってもおかしくは無い」
神原
「ろ、600メートルって!? 最新鋭を誇る『長門』級機動戦艦よりも200メートル以上大きいですよ!? そんな艦艇が存在するなんて!?」
思わず驚く神原。だが、言った本人は艦艇の大きさについて全く驚いていなかった。
神埼青葉
「この世には予想を超える艦艇だって存在するし、中には全長1000メートルを超える艦艇だって存在する情報だってある位だからね」
神原
「は、はぁ。そう言う物ですか」
神埼青葉
「そう言う物だよ――艦長。特殊工作艦『明石』は着いてきているか?」
神原
「はい。護衛艦の護衛の元、艦隊後方より着いてきています」
■『明石』級特殊工作艦――性能諸元――
全長
・280メートル
全幅
・40メートル
平均喫水
・10.8メートル
基準排水量
・4万4500トン
常備排水量
・5万2200トン
満載排水量
・6万3600トン
搭載機関
・FE社製ガスタービンエンジン×4基4軸推進
機関出力
・20万馬力
最高速度
・34ノット
航続距離
・18ノットで2万3000海里
装甲
・舷側:255mm
・甲板:140mm
・艦橋:550mm
・CIC :800mm
乗員
・1400名(乗員総人数)
武装
・01式高性能40mm複合機関砲『ファルケ』4基
・01式21連装近接防空ミサイル発射筒『シュヴェルマ』2基
工作機械
・200t大型クレーン× 8基
・100t中型クレーン×12基
・作業機械多数
姉妹艦
・二番艦『三原』
・三番艦『桃取』
・四番艦『未来』
・五番艦『飛島』
・六番艦『滑川』
・七番艦『赤芝』
・八番艦『三崎』
説明
特別架空連合艦隊の特殊工作艦。工作艦とは、工作用機械を多数備えて、艦船の補修・整備を行う艦船の事で、旧日本海軍時代では『明石』型工作艦が存在しており、この艦艇はその『明石』型の名を引き継いだ工作艦である。
本艦は、遠洋航行用の自走ドック艦を保有していない現時点で、遠洋で損傷した艦艇の補修・整備が行える唯一の艦艇にして、『大和』級機動戦艦を修理できる能力を有している。
反面、修理能力を高めるために作業用機械を多く保有し、代わりに最低限の個艦防空兵器しか搭載されていないが、単艦で航行させるわけではないので全く問題にならなかった。
尚、艦の名前は全て日本の景勝地から取られており、五番艦から八番艦は作者の故郷である山形の景勝地から取られている。
神埼青葉
「分かった。全艦艇に告ぐ!! 相手は所属・正体不明の戦艦だ。何が起こるかは分からない。故に、第一種警戒態勢を発令する!!」
艦隊無線で呼び掛ける神埼。特別架空連合艦隊では、早期ガン発見段階を元にした警戒態勢が取り入れられており、“敵若しくは正体不明の部隊・艦隊が出現した場合”の“第一種警戒態勢”、“敵若しくは正体不明の部隊・艦隊が明らかに夢幻諸島へと進路を取った場合”の“第二種警戒態勢”、“敵若しくは正体不明の部隊・艦隊から攻撃兵器を搭載した航空機等が発進した場合”の“第三種警戒態勢”、“敵若しくは正体不明の部隊・艦隊が自軍に対して明らかな戦闘行為を行った場合”の“第四種警戒態勢”と言う感じであり、今回は第一種警戒態勢が発令された。
そうこうしている内に、正体不明の戦艦との距離は20kmにまで縮まったものの、その戦艦は一向に反応を示さないのだ。これには全員が首を傾げる。
神原
「どうしたのでしょうか? 全く反応を示さないですよ」
神埼青葉
「あぁ。上空にいる『星雲』や『キルケー』からも、威嚇射撃は来ないと言って来ている――まさか!?」
次回に続く。
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