無理心中:病気の妻と 殺人未遂に刑猶予−−和歌山地裁判決
2013年05月23日
病気の妻を乗せた車を海中に転落させ無理心中しようとしたとして、殺人未遂罪に問われた和歌山市園部、無職、辻武重被告(71)の裁判員裁判の判決公判が22日、和歌山地裁であり、浅見健次郎裁判長は懲役3年執行猶予5年(求刑懲役4年)を言い渡した。浅見裁判長は「刑事責任は決して軽くないが、生活環境が改善しつつある現状に照らせば、社会内で更生の機会を与えることが相当」などと述べた。
判決によると、辻被告は昨年12月12日午後6時ごろ、和歌山市西浜の岸壁で、預金も尽き、妻の介護を続けていくこともできないなどと考え、病気のために意識不明の妻(当時70歳)を乗せた乗用車を運転し、車ごと海中に落下させて妻を溺死させようとした。車は縁石などにぶつかって走行不能になり、実際には海中転落はしなかった。
弁護側は執行猶予付き判決を求めていた。【竹内望】