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双葉郡8町村、中高一貫校検討 避難の子、呼び戻す狙い

 福島県双葉郡8町村は公立の中高一貫校を設立する検討を始めた。福島第1原発事故の避難区域指定に伴って流出した児童、生徒を呼び戻す狙いで郡内の広野町、川内村のほか、いわき市を軸に候補地を選ぶ。
 広野町と川内村は放射線量が低く、一部を除いて避難区域指定が解かれた。いわき市も低線量で多くの郡民が避難している。早期開校を目指しているが、具体的時期は決まっていない。
 郡の復興を担う人材育成に重きを置き、普通科のほか、地域の歴史や伝統を学ぶ「ふるさと科」の開設を考えている。運営形態は県立が有力視され、国立、福島大付属とする案も出ている。
 8町村の教育長は昨年12月から、郡の教育の方向性を定める協議会で議論を重ねた。「児童、生徒の流出が著しく、次代を担う世代が細り、復興が滞る」との危機意識を持ち、「子どもを呼び戻す魅力のある中高一貫校を設ける」という考えで一致した。6月の協議会で学校設置を含む教育復興の指針をまとめる。
 双葉郡には小学校17校、中学校11校、高校5校があり、原発事故で、うち計10校が休校になった。残りの23校の中で19校が移転して授業を再開している。児童、生徒数は原発事故前の15%を切る1142人に減った。
 双葉地区教育長会会長の武内敏英大熊町教育長は「特色ある学校をつくり、郷土愛に満ちて復興に意欲のある子どもを集めたい。県外避難する子の受け皿にもなれるようにしたい」と話している。


2013年05月23日木曜日


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