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R15?
勇者の帰還
44 犠牲祭
 朝です。すがすがしい朝です。昨日のパレードの騒ぎが嘘のような静けさ漂う朝です。
 半分意識は浮上しているんですが、どうにも最後の一歩で完全覚醒出来ない時ってないですか? 私は丁度その状態です。
 このまま意識が沈んでしまえば二度寝になってしまうのでしょう。いえいえ、それではいけません。起きて店の周囲の掃除をしなくては。
 その交換条件の下この部屋に住まわせてもらってるんですから。さあ、勢いを付けて起きてしまえ! ……と思っても起き上がれません。
 ま・た・か! 意識もばっちり覚醒しましたよ。
「……てか戻るのって昼過ぎじゃなかったの? グレアム」
「うん、色々切り上げてついさっき帰って来た」
 祝勝会はさぞ盛り上がった事でしょう。夜遅く、なんなら朝方まで続く夜会もあるとか耳にした事がありますから、グレアムが昼過ぎに戻るというのは妥当だと思ってたんですけどねえ。
 それに。
「鍵……かけてあったよね?」
 もちろん工房の入り口と、この部屋の入り口と、両方です。がっちりかけて確認してから寝ています。ある意味締め出しですね。
 でも帰るのが昼過ぎなら構わないと思ったんですよ、ええ。朝には起きて店の周囲の掃除をするので鍵は開けますからね。夜中だの朝方だのに帰ってくるなんて聞いてませんし。
 特にグレアムは朝に弱いから、そのまま王宮の方に留まるから、帰るのが昼過ぎになるんだと納得してたんです。その予定は出かける際にゴードンさんからさらっと聞きました。
「あの程度の鍵、俺にとってはかけてないも同然だよ」
「いやいやいや、鍵がかかってるって事は、入るなって事だからね?」
 ……何故だまる!? つかいい加減離せこのドスケベ!!
「ちょ! そろそろ離しなさいって!!」
「嫌」
 嫌、じゃねーよ! 何とかグレアムの腕から逃れようともがきますが、さすがエロくても勇者、抜け出せやしません。
 両腕はいつの間にか頭上で一つにまとめられ、グレアムの左腕一本で押さえ込まれてます。ちなみに左を下にして横向きに寝ています。
 後ろから抱きかかえるようにして添い寝しているグレアムの……手が、右腕が……ちょ、待てお前! シーツに触れる感触が違う! す、すっぽんぽんだあ!
「い、いいいつの間に脱がした!!」
「ついさっき」
「やめ! ……んあ」
 なんか変な声出たー! つか右腕が肌の上を好き勝手に動き回ってる!! ひゃ、ひゃあ!!
 以前のように頭突きをかまそうにも、それを警戒してか奴は首筋に顔を埋めていて後頭部で狙えないし、暴れようにも足は絡め取られていて動かせやしない! こ、こんな時に体術使うのは卑怯ってもんですよ!!
「やめ……やめて! グレアム!!」
「どうして? 大丈夫、怖くないから」
 いやいやいや! 十分怖いよ!! 恐怖体験だよ!! あまりの事に涙まで出てきたよ!! どさくさに紛れて首筋なめ回すな!!
「い、今すぐ止めないと……」
「止めないと?」
 ああああ! その涼しい表情してそうな声が憎らしい! こっちはその腕一本に翻弄されているというのに!!
「今後一切口利かないからね!!」
「…………ちっ」
 グレアムは小さく舌打ちしてから私を解放しました。た、助かった……。本気でいろんな意味の危機を感じたよ。これ以上の同居は考え直した方がいいよね絶対!
 すぐに飛び起きたかったけど、自分の状況を思い出し、シーツを体に巻き付けてからそろそろとベッドから降りました。床に寝間着と下着が落ちてる……。
 それらを拾ってから浴室へ行き、まずは着替えです。まだ心臓がどきどきしてますよ。前は寝てるうちに勝手に寝間着に着替えさせてたし、今回は……。
 これまでにも悪戯は何度かありましたが、今回ほど濃いものは今までありませんでした。一体何がどうしたってんだ。
 ……前回前々回の人生で、結婚はしていましたが、正直どちらの夫とも夫婦生活はろくにしてなかったんです。
 前々回の夫はひどい浮気癖で、妻である私には正直見向きもしないような男でした。それはそれでいいんですけどね。私もあんな男に触れられるかと思うと怖気が走るから。
 前回の夫は淡泊な人なのか、三年間の生活の中で、ベッドを共にしたのは実は数える程です。
 仕事が忙しいのか家に帰るのが夜中近くの時がほとんどでしたから、実は家庭内別居に近いものがありました。……駆け落ちしたのはその辺りにも原因があるんですかね? でも拒んだ事ないんだけどな……。誘った事もないけど。
 それはともかく! 結果として前世の記憶なんて厄介なものを持ってる割には、その手の事に関してはかなりの奥手です。
 何せ前回のその……その手の記憶だって、何十年前っていう感覚なんですから。振りではなくて十分初心なんだと思ってます!
 ちなみに勇者達とはキス以上の事はありませんでした。グレアムともです。あ、グレアムには例の『悪戯』は何度もされてましたけど。
 一回デリアおばさんに見つかった事があって、その時はこっぴどく叱られていましたね。グレアムが。
 うちの母に見つかった時には怒られなかったんですけど。『うまくやんなさいよ』とは言われました。何をうまくやるっていうんだまったく。
 父にはさすがに見つからないようにしていたようです。以前冗談で『ルイザにちょっかいかける奴はのこぎりの錆にしてくれる』って言ってましたから。父は大工をしていたんです。
 そんなこんなもあり、この手の事に関しては同年代の子に比べても後れています。別にいいですけどね。いや、よくないか。とにかくグレアムのこの悪戯だけは止めさせなきゃ。
 着替えを済ませて掃除をし、戻ってからとっとと浴室に逃げ込みました。浴室の扉に鍵がかけられるようになっていて良かったですよ。
 ……待て自分。奴は今朝なんて言ったか? 確かこの程度の鍵はかけてないも同然とか言ってたよな?
 私は浴室に入ってから、しばらく扉を睨み付けていました。すると鍵の辺りからかちゃかちゃと軽い音がしてきます。それからそうっとノブが回され、扉がすーっと……。
「グレアム!!」
「ちっ」
 本当にもう、どうしてくれようこのエロ勇者。

 さて一番早い春の花がようやく咲き始めようかという今日この頃、私とグレアムは故郷の街に帰る事になりました。
 凱旋パレードが終わった事で、勇者が帰還したというのが大々的に知れ渡り、もう人目を忍ぶ必要もなくなりましたから。
 てか今まで外出歩かなかったのって、人目を忍ぶ為だったのか? 本当に? その割には店に来た時には無頓着だったよなあ?
「別に人目を忍ぶ為じゃないよ」
 ああ、やっぱりそうなんだ……。じゃあ今まで部屋にこもりきりだったのは何なのよ?
「ルイザの側から離れたくなかったから」
 ああ、そうですか……。脱力してそれ以上言い返す事も出来ませんよ。まあ勇者が王都にいるっていうのは知れ渡ったから、別の意味で顔さらして外歩くのは問題ある気がしますけどね。
 それにしても、王都に来てからもう一年近く経つんですね。その間墓参りも行かなかった親不孝な娘ですが、許してくれるでしょうか? 天国にいる父と母は。帰るとなったら、両親の墓にも参っておきたいですね。
 そして私はまだグレアムに全てを話せていません。ずるずると帰省の時期にまできてしまいましたよ……。毎朝毎朝あんな調子でいたら、言い出す機会もないってなもんです。
 いっそ帰省から帰ってきてからの方がいいかしら。……逃避している自覚はありますよ。

 故郷に帰るというのは店の方にも言っておかなくてはならないので、当然オーガストさんに報告です。まとまった休みをもらわないといけませんからね。
 エセルの方には以前報告済み、というか、本人から薦められましたから。でもちゃんとした日程は出さないとならないから、こちらも改めて報告です。
「そう、じゃあ日にちも決まったのね?」
「ええ、後の事はよろしくね」
「任せて。故郷でゆっくりしてね」
 そんな会話をしていたら、切れ端に聞いた工房のみんながわっと寄ってきました。
「え!? ルイザ故郷に帰っちゃうの?」
「仕事は?」
「まさか辞めちゃうの!?」
「そ、そそそそそんなの困りますう!!」
 とりあえず落ち着こうかみんな。特にイーヴィー、この工房でこの程度の話に惑わされるようじゃ、この先やっていけないわよ。
「そうじゃなくて、犠牲祭の帰省だってば」
 私の言葉に、みんな安堵の笑顔を浮かべました。この時期に故郷と言えば帰省だと思うんですけどねえ。
「なんだ、そういう事か」
「焦ったわー。故郷帰ってそのまま勇者様と結婚しちゃうのかと」
「今ルイザに抜けられたら大変よねえ?」
「まだまだ春ものの需要あるんだから」
「飾り部門がイーヴィー一人になったら大変だったわよねえ、イーヴィー?」
「良かったですう……ただの帰省で……」
 ははは。一応これって喜んでおくべき所なのかしら?

 春にある犠牲祭は、夏の聖マーティナ祭や冬の降臨祭のような華やかさはありません。
 これはその昔、民の為にその身を犠牲に捧げた聖女様を祀る祭りで、先祖供養をする祭りとなっているんです。
 だからこの時期に出稼ぎなんかに出てる人達が、一斉に故郷へと帰るんですよ。地元の家族と過ごし、先祖の霊を供養する、そんな祭りです。
 と言う訳でそれにかこつけて、私とグレアムの二人も故郷に帰る事となった訳です。デリアおばさんも心配してるだろうし。
 そういえば、グレアムは国王陛下からしばらく王都に留まるように言われていて、帰省する際には報せるように言われてたんでした。ゴードンさんに伝えなきゃ。
「なるほど。わかりました。陛下の方には私から伝えておきます」
 ゴードンさんには店まで来てもらいました。というか二、三日おきくらいに店に顔出すんですけど、この人。
「ゴードンさん、ちょくちょく工房に来てますけど、暇なんですか? 近衛って」
「そういう訳ではありませんが、ここには勇者殿がいらっしゃいますからね」
 苦笑しながら答えるゴードンさんを見て、もしかしてこの人監視役なのか? とも思ってしまいましたよ。グレアムが王都から抜け出さないように見張ってるのかな、って。さすがに聞けませんけど。
「故郷に帰るのは、鉄馬車で?」
「そうです。切符手に入るかしら?」
 そういや切符の手配が必要なんでした。ここの所色々と忙しかったからなあ。
 他に交通手段はありませんから。貴族や富豪なんかだと、自家用の馬車を持っている場合が多いので、それで行き来が出来るんでしょうけど、私達は庶民ですからね。
 長距離鉄馬車の座席は全て指定のため、割と早く売り切れてしまうんです。しかも犠牲祭の時期は誰もが故郷に帰ろうとしますから。
 王都にはここ生まれの人も多いですが、地方から出てきている人も多いんです。なのでこの時期王都から地方へ出る長距離鉄馬車の切符は入手が困難とも言われています。
「切符ですか……。なんとかなるかも知れません」
「え? そうなんですか?」
「ええ、明日まで待ってもらえますか?」
「それはまあ……」
 犠牲祭は十日後です。私たちはその前後合わせて七日間ほど帰省する予定なので、王都を出発するのは七日後になります。
 休みが長いとは思いますが、なにせ移動だけで一日半はかかりますから。近くなったとはいえ、やはり遠いんですよ。
「ではまた明日」
 そう言ってゴードンさんは帰っていきました。王宮の近衛ともなると、何かの伝手つてで長距離用鉄馬車の切符が手に入れ易かったりするのかしら?
「うまく手に入れられるといいね」
「そう……だな」
 なんだがグレアムが浮かない感じですよ? 何でしょうね?

 その翌日本当に切符を手配してくれたゴードンさんは、出発当日も発着場まで見送りに来てくれました。
「ダイアン殿とリンジーも来たがっていたんですけどね……」
 苦笑混じりにそう言うって事は、また二人して騒いだんだな、巨乳ちゃんとちびっ子は。進歩ないなあ、あの二人。
 来なくて良かったという思いが顔に出たのか、さらにゴードンさんに笑われてしまいました。だってここにあの二人が来たら絶対にうるさいもん。
「ではお二人とも、お気を付けて。ご無事のお戻りをお待ちしていますよ」
 そう言ったゴードンさんに見送られて、私たちは車中の人となりました。
 うん、もうちょっと考えるべきだったよね。近衛にいるって事は、ゴードンさんも貴族なんだよね。どのくらいの爵位かまでは知らないけど。
 そんな人が三等客室なんて一般的な切符、取るはずないですよねー。
 そしてグレアムってば世界的にも有名な勇者です。この国の国王陛下とも普通に話せてしまう程の。
 そんな人を三等客室なんて一般的な客室に存在させては、周囲が騒ぎに巻き込まれてしまいますよねー。
 車掌に切符を見せた時の表情に、何となく嫌な予感を覚えたんだけど、それは見事に的中しました。
「これって……」
「ゴードンのやる事だからな……特別室とか?」
 特別室っていうか、特別車両と言った方がいいかも知れません。長距離鉄馬車の一車両まるまる使って一室ですってよ! なんだこの贅沢さ加減!
 一等客室の上の特等客室というんだそうです。私が王都へ来た時は三等だったのに。
 噂の専用案内係が案内してくれましたよ。手荷物も、本当に整理してくれました。すごいな特等客室。
「でもよくこの時期にこんな特等なんて客室取れたわね」
 三等客室の切符ですら場所によっては手に入れるのが大変なのに。お金持ちが使う客室なら真っ先に埋まると思ってましたよ。
「こういう特等室は貴族が急に使用する可能性があるから、普段からあまり使われないって聞いた事があるんだ。そういう辺りでゴードンがねじ込んだんだろう」
 ああ、なるほど。切符自体ももの凄く高いようですからね。他の一等から三等の席が埋まっていれば、特等が空いていても特に支障はないですからね。赤字が出る訳でもないし。
 そういう意味では特等室を取るのは簡単なのかも知れません。この時期は狙い目ですね、お高いですけど。
「……そういえば、この切符の代金、誰が支払うの?」
 思わず内装その他のすごさに驚いて忘れていました。ゴードンさんにお金渡していませんよ。
 私一人分でも、今までの貯蓄をはたいても足りないかも……。借金しか道はないかしら? 金額聞くのが怖い。
「ゴードンから請求が来たら俺が払うよ」
 グレアムがそう言って、安心させるように笑ってくれました。忘れそうになりますけど、彼は私の年収の十倍以上の年金を受け取る勇者でした。彼の年金ならこの特等の切符もわけなく払えますね。でもそれでいいのかしら?
「今まで世話になってるし」
 ああ、そういやそうでした。決して等価値があるとは言えませんが、部屋に置いて、ご飯食べさせてるわけですからね。……他にもいろいろされてますけど。
「それにこれからも世話になるんだし」
 ……それは考え直させて欲しいところです。

 王都から地方へ出る長距離鉄馬車は、その向かう先によって出発時間が異なります。特に今は犠牲祭で帰省する人間が多くなる時期ですからね、臨時の時刻表に変わっていて、便数が増えているんだそうです。
 私たちが乗った便は昼前出発の、到着が夜になるという便でした。
「地方都市に夜だと、そこで一泊だね」
 さすがに夜じゃ地方都市から故郷の街までの都市間鉄馬車も終わってますよ。王都に出てくる時には夜出発の便に乗ったから問題なかったけど。
「さすがにその時間じゃフェリシアの所でも迷惑だろうな」
 そう、地方都市には推定魔王たるフェリシアがいます。あ、奴に帰省するって報せるの忘れてた。街に戻る前に顔出しておこう。でないと後で何言われるかわからないからね。
 にしても……グレアムと一緒に行くのか……。
「何? どうかしたか?」
「……何でもない」
 特等客室のふかふかの椅子に座って、目の前に座るグレアムを見ます。二人で行ったりしたら、それ見た事かとフェリシアに言われるんだろうなあ。
 居場所聞かれたら教えるって言われてた……し……? あれ? そういえば。
「グレアム」
「ん?」
「今まで聞くの忘れてたけど……私があの店にいるって、誰に聞いたの?」
 そう。王都に私がいると知っていても、あの店まで特定できたのはどうしてなのか。本当に今更そんな事に気づきましたよ! もっと早く気づけよ自分!
「ああ、その事か。んー、何と言えばいいのか……」
 何言いよどんでるんだ? 言いたくない程やばい手口でも使ったというのか? 一体何やったんだ!?
「グレアム……一体どうやって私の居場所を知ったのかな? ん?」
「女神様のお告げ……って言ったら信じる?」
「信じるか!!」
 やっぱり何か人に言えないような手段使いやがったな!! それからはどう責めても口を割らず、結局真相は謎のままとなりました。

 特等客室の乗り心地は、もう最高としか言いようがありません。何この三等客室との違い! まあお値段が桁違いなんだからどうしようもないんでしょうけど。
 部屋の中に設えられた椅子だのテーブルだのは言うに及ばず、よく見れば浴室までついていますよ。凄いですね。
 それともう一つ特等客室ならではの特典がついていました。特等客室の客は食堂車に行かなくてもここで食事が取れるんだそうです。
 長距離鉄馬車はその名の通り長距離を移動するため、食堂車が付随しています。安く終わらせたい人は自分でお弁当とか持ち込むんですが、こちらを利用する人も多いんです。予算に合わせたメニューが揃っているんですって。
 この食堂車限定のメニューがあるらしく、密かに人気なんだとか。それを目当てに乗る客も、実はいるんだそうです。
 その食堂車で出されているメニューと同じ物を、特等客室の場合ここで食べる事が出来るんだそうな。
 食堂車で出るメニューのいくつかは事前に予約が必要なんですが、ゴードンさんてば手回しがいい。きちんとランチコースが予約してありました。
「どうする? 食堂車の方に行くか?」
 グレアムに聞かれましたが、せっかくの特典です! 客室の方で取りましょう。何せ私の連れは勇者ですからね。食堂車で騒ぎにでもなられては困りますから。それだけが理由じゃありませんけど。
 昼食が運ばれてきて、テーブルの上にセッティングまでされてしまいました。つかランチにしては品数多いな!
 先程ちらりとみた食堂車のメニュー表の中でも、一番高いお値段のランチですねこれ。庶民にはなかなか手が届かないお値段でした……。
「へえ……いい果実酒使ってるな」
 ランチに何故か付いて来た果実酒を口に含んで、グレアムがどこか感嘆したように呟きます。いつの間に果実酒の善し悪しなんてわかるようになったんだろう。
 離れていた一年弱って、やっぱり長いんですね。旅の様子はちらほら聞いたけど、細かいところまでは知らない訳ですし。
 ちょっとその辺りは巨乳ちゃんやちびっ子がうらやましく感じます。雑魚掃除が主な仕事だったようだけど、それでも一緒に一年弱旅をしてたんですから。


 まあ私の方は生まれてから十七年、片時も離れず過ごしましたけどね。


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