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ゲーム機でリハビリ楽しく 仙台の老人ホーム・介護施設

真剣な表情で、ヘビの形をした標的を足で踏み込む入居者

 仙台市宮城野区で介護施設を運営するライフミクス(青葉区)が、施設利用者のリハビリやレクリエーションに業務用ゲーム機を取り入れている。お年寄りが楽しみながら体を動かすことができるよう、ゲーム機の娯楽性を活用した。適度に頭も使うとあって、利用者らから大いに喜ばれている。

 お年寄りが、穴から出現するヘビの模型を足で踏む。周りから笑いと励ましの声が上がり、和やかな雰囲気が漂う。
 同社が宮城野区福室7丁目で営む介護付き有料老人ホーム「フループライフガーデン」。4月にゲーム機タイプのリハビリ機器2台が設置され、入居者に人気だ。
 ともにモグラたたきゲーム機と同じ構造で、次々に現れる標的を制限時間でいくつ退治できるか競う。1台は手でハンマーを持ってたたき、もう1台は足で踏み込む。
 標的は初めはゆっくりと現れるが、後半はペースが上がり運動強度が高まる。ゲームが終了すると、退治した数やヒット率が画面に表示される。
 老人ホームの入居者は60〜90代の71人。うち約6割が認知症で、手足が不自由な人もいる。週1回、昼食後に数人のグループに分かれ汗を流す。
 入居者の一人、荻原すみ子さん(86)は「仲間と得点を競い合えて楽しい」と話す。自室にこもりがちだったが、リハビリが楽しいと意欲的になった人もいる。
 総合施設長の山田誠峰さん(50)は「そもそもは、マンネリ化しやすいレクリエーションに新しいメニューがないか模索していたのがきっかけ」と振り返る。
 同社は昨年11月、老人ホームに隣接する複合型介護施設「フループ福室」に、ぬいぐるみなどの景品をつかみ取るクレーンゲーム機2台をレクリエーション用に試験導入した。
 山田さんは「普段はおとなしい人も、生き生きとした表情になるのが印象的だった」と語る。「娯楽の力で高齢者の心身の健康が高まるといい。チームの対抗戦など、今後は入居者同士の交流にも生かしたい」と期待している。


2013年05月23日木曜日


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