忍術使いの秘密組織の頂点に立つ者を上忍という。
上忍は、豪族・土豪として小大名的な存在であり、自ら忍術を使うことは殆どないと
言っていいだろう。
伊賀全土に秘密の部下を配置し、その密偵組織を働かせて、群小豪族の依願に応じて
諜報・謀略の役目を果たした。
中忍
上忍が司令官なのに対して、その部下の隊長といった役割を受け持つ者を中忍という。
中忍は組頭として何人かの手兵を持っており、行動する時に当たっては、自分も忍術
使いとして先頭に立って陣頭指揮をする。
上忍の命令を受けて兵長として動く場合が多いが、部下のみを働かせて自らは動かな
い場合もありうる。
一面上忍の参謀であり、他面自分自身も実際的な忍術使いといった階級。
身分は、殆ど郷士・士分の者である。
下忍
上忍や中忍の指揮に従って、実際に忍術使いとしての仕事を果たすのが下忍である。
いわゆる下働きの忍術使いだ。
この下忍が、現在一般常識になっている忍者だ。
下忍は、それぞれに個性特徴を持っており、上忍は時に臨み、機に応じて彼等の技能を
生かし、活用した。