【ソウル聯合ニュース】安倍政権の経済政策「アベノミクス」は失敗だとの声が上がり、韓国経済に対するマイナス影響が指摘されている。
円安などの影響で日本の輸入物価は上がっているが、個人所得の改善がみられないためだ。一方で日本国債の金利上昇などの懸念材料も出ている。円安で韓国企業は打撃を受けているが、日本の金融市場が混乱すれば韓国市場も大きな影響を受ける。
金融投資業界によると、3月と4月の日本の輸入物価上昇率(3カ月移動平均)はそれぞれ前年同月比10.7%、10.3%だった。昨年11月はマイナスだった輸入物価は2カ月連続で2桁の上昇になった。
日本の輸入物価は昨年下半期にマイナスを記録しているため、反動が出ると予想される。これはコスト高が景気回復にマイナスの影響を与える「悪いインフレ」を招く可能性がある。
円安によって日本企業の収益性は上がっているが、民間所得は増えていない。2月と3月の個人所得増加率(3カ月移動平均)は前年同月比でそれぞれ0.1%増、横ばいとなっている。現金所得ではそれぞれ0.9%、0.3%減少した。
円安による企業の利益が労働者の賃金上昇につながらなければ、実質所得が低下し民間消費が萎縮することにつながりかねない。
日本国債の金利の急上昇も気になる材料だ。10年物の国債金利は21日に0.880%となり、昨年5月25日以来の高水準となった。
国債発行の急増に対する不安や、円安によって低金利の円を借りて高金利の外国通貨で運用する「円キャリー取引」の増加やインフレに対する懸念も高まっている。
新韓金融投資のエコノミストは「日本の量的緩和政策の過程には不安要因が潜んでいる。日銀の国債買い取り拡大によって不安心理が高まれば、株式市場にも衝撃が走る」と話した。
「アベノミクス」が失敗に終われば、日本の格付けが相次いで引き下げられ円安が急激に進むとの予想も出ている。
LIG投資証券のエコノミストは「個人所得が改善されなければ、日本国債の格付けが引き下げられる恐れが出て、日本政府が望む以上の円安圧力を受けることになる」と懸念を示した。
韓国内ではアベノミクスの失敗による影響を抑えるための対策が必要だとの声が高まっている。韓国金融研究院の上級研究員は「もしも日本で資金の梗塞現象が起これば、日本の金融機関が海外に投資した資金の回収に動く。日本の財政危機とその波及効果に対して準備する必要がある」と話す。