政治いま:対立軸どこへ(その2止) 「全世代つかめる」国民栄誉賞

毎日新聞 2013年05月22日 東京朝刊

 政権は自民党の固い支持の復活と「国民みんなが応援した」巨人を重ねる。しかし、巨人戦ナイター中継の地上波の年間平均世帯視聴率は1990年代、20%前後(関東地区、ビデオリサーチ調べ)だったが、2000年ごろから10%を割り込むようになった。家族4人で夕食を囲みながら、長嶋氏が出るナイターを見た時代は終わっている。

 ◇「所得倍増」イメージ再利用 夢よ、もう一度

 「漢字で4文字なんだよ。これが当たったときはわーといくんだよ、この国は。昭和30年代の所得倍増なんか最たるもんだ」。首相が成長戦略第2弾の目玉として農業所得倍増を発表する前の15日、麻生太郎副総理(72)は声を弾ませた。

 だが、高度成長期のイメージを再利用する「所得倍増」には疑問も噴出する。JA全中の冨士重夫専務理事(59)は記者会見で「そう簡単にいくのかな」と戸惑いを見せた。自民党でも公約への盛り込みで議論が長引き、「所得倍増なんて言ったら、畜産農家に牛のふんを投げられる」という意見も出た。自民党の農林族議員は「夢ばかり語っていると、バカじゃないかと言われる」。竹内洋・関西大東京センター長(71)(社会学)は「我々の記憶には『あの日本が正統』という意識がある。そこに訴えることを狙っている」と指摘する。

 「五輪を東京で開催することこそは私の生涯の夢だった」。首相は3月4日にあった国際オリンピック委員会(IOC)評価委員会歓迎行事で「より速く、より高く、より強く」と1964年東京五輪の歌をうたった。首相が描くのは高度成長期に日本が持っていた「夢」だ。

 ◇「保守本流」を意識 首相の姿勢、危惧する声も

 首相は17日の講演で、池田内閣の所得倍増計画に言及した。池田勇人元首相は、安保改定で対立の季節だった岸内閣の後、経済重視と対話を打ち出し、高度成長期を導いた保守本流。岸信介元首相を祖父に持つ安倍氏と池田内閣のとりあわせは必ずしもしっくりこない。

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