終焉の予兆 ついに国債バブル崩壊が始まった!
【政治・経済】
反リフレ派の論客 小幡績慶大教授が警鐘乱打
<トリプル安で日本経済はお陀仏…>
株式市場は相変わらずイケイケだが、その裏で恐ろしいことになっているのが国債市場だ。黒田バズーカの異次元緩和で価格が上昇する見込みは大外れ。21日も下落し、新発10年債の利回りは0.88%まで上がった。国債暴落懸念がよぎるが、慶大教授の小幡績氏は近著「ハイブリッドバブル」でこう書いている。〈「日銀おひとりさまバブル。日本銀行だけが(国債を)買いつづけるバブル。日本国債バブルの最終局面が始まった〉〈いよいよバブルは崩壊する〉。小幡氏に緊急インタビュー。
小幡氏は黒田日銀総裁が異次元緩和を決めた4月4日、「頭の中が真っ白になった」という。
「あり得ない量の異次元緩和だったからです。私はこの日、日本国債のバブル崩壊は決定したと思っています。実をいうと、これまでも日本国債は奇妙なバブルだったのです。あれだけの国債を発行し、当然、財政破綻リスクがあるのに、高値安定している。これは財政破綻リスクを見ようとしない機関投資家と、そうした懸念を考慮しつつ、利益を上げようとする2種類の投資家によって、引き起こされた特殊なバブルで、私はそれをハイブリッドバブルと名づけた。そこに日銀買い入れバブルが融合し、国債市場は典型的なバブルに変質したのです。この日、私はたまたまリフレ派の学者と議論していた。世間はいまだにアベノミクスの良し悪しを論じていますが、洪水が押し寄せてくるのに、雨を降らせるにはどうしたらいいのかを議論しているようなものです」
こういう小幡氏は、このバブルは必ず、崩壊し国債暴落につながると断言する。
「日銀がもくろみ通り、2%の物価目標を達成すれば、インフレになっているわけですから、今度は金融を引き締めなくてはならない。つまり、今度は国債を売る側に回る。その瞬間、国債価格は暴落します。日銀が買ってくれるので、成り立っていたバブルなんですから。一方、2%に届かなければ、日銀はさらなる緩和メニューを出さざるを得なくなる。景気が回復しなければ、財政出動も必要になってくる。そうなると、日銀の大量国債買い入れは財政ファイナンスであると見られてしまう。このシナリオでも国債暴落につながりますが、その場合、円の信用も揺らぎ、債券安、通貨安になる」
つまり、どっちに転んでも国債暴落は避けられないのだが、だから、メガバンクは逃げるようにして、手持ちの国債を売っている。それが価格の下落に拍車をかけている。小幡氏によると、こうした価格の乱高下こそ、典型的なバブル崩壊の前兆だという。
「株式市場もバブルが崩壊するかどうかはともかく、この相場は完全にバブルであるのは確かです。企業の業績は明るくなっていますが、期待が大きい分、バブルが膨らんでいるのです。ファンダメンタルズを見れば、日経平均は1万4000円くらいが妥当と見られているし、新興市場は乱高下している。株、円、債券のトリプル安に見舞われれば、日本経済はとんでもないことになる。この警告が無駄になるような奇跡が起きて欲しいものです」
今後が恐ろしくなってくる。
(インタビューはニコニコ動画の「日刊ゲンダイチャンネル」でも配信しています)