■負け犬クリスマスin十条
これを書いているのは12月23日。世間で言うところのイブイブですわ。死ねっつんだコラ!
当然女に振られた僕には予定がありません。もう鬱々として仕事にならないのでこないだ仕入れたフェラーリ動画の編集などをやっていた。
リーダーの会社に送りつけた後、しばらくたってから電話がかかってきて一通りの好評を得た事を知らされました。
何故かそこに居合わせていたミスタさんからはクレームをいただきました。 「あのーなんで私だけ名前がミスタになってるんですか?」
と、衣装担当のミスタさんはおっしゃるのです。そりゃ当然です。が、ミスタさんは自分がそうみんなに呼ばれている事を知らないのです。命名はリーダーのハーレーさんです。
適当にごまかしたあと、話をそらしました。
「安太郎さん。明日はどんな予定なんですか?」
と、また聞かなくても良いような事をミスタさんがおっしゃるのです。正直な私は「いやぁ。ミスタさんとかBMさんと同じような予定ですよ。」と答えました。
「ああ、部屋でオナニーですか。シャブキメると3日ぐらい止まりませんよ。今度友達が引くんで安太郎さんも一口乗りませんか?」
というような事をご教授頂きました。
こんな行りから、世間が浮かれているところの負け犬である私は思いつきで漫画喫茶へダッシュしたのです。外の気温は2℃とかです。タイトル通り、それでも僕らはバイクで出かけるんです。でもなんだろう。今日は僕の他に誰もいないような…。彼女もいない安太郎。もうダメなようです。頑張れ俺!(ここ1年くらいの口癖)
■クリスマスイブ
翌日はとても憂鬱な気分で目が覚めました。24日はこのまま布団の中で日付が変わるまで丸まっていよう〜ルン♪とか思ったのですが、トイレに行きたかったり腹が減ったりで起きてしまうわけでして。
そんな中、リーダーが自分の彼女と一緒に食べる鳥のモモ肉を買うために店に並ぶので一緒に並ばないか?との御命令が我々に下りました。
最初は行く気が無かったのですが、あまりの惨めさに「ぼっぼくも行く!」といきなり電話をする始末。まるで置いてけぼりをくらった子ども同然ですよ。
というわけで「負け犬クリスマスin十条」が決定したのです。集まったのはいつものメンツ。でもリーダーは女の所へ帰るので今日は3人です。
負け犬クリスマスの参加資格である彼女のいない独身男性という規約はきっちりと守られたのでした。
サンタが鳥を焼いているというのはかなりシュールだと思う→
十条の鳥大。1時間待ち。 |
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会場はミスタさんの家。
ミスタさんの家はいつもきちんと片づけられています。掃除も行き届いていてゴミ一つ落ちていません。僕の部屋なんかゴミ捨て場だかなんだか解らない様相だというのに。
みんなでスーパーに買い出しに行きました。薄汚い格好をした男が3人でケーキを一つ買うというこの姿は、滑稽を通り越して異様ですらありました。恐怖心すら覚えます。
「クリスマスの駄菓子と言えばやっぱりふがしでしょう。」
と、ミスタさんがおっしゃるのでふがしを購入258円。またこれが最後まで誰も食わなかったわけで。ミスタ、こういう事が多いです。外しました。
今日もバイク 気温は7℃→ |
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かくして五号の丸いケーキと、ビール(注:バイクで来てます)、ポテチ、寿司、そしてふがしを購入し。レジのおばちゃんに「箸は何本?」と聞かれて「5本」とBMさんが見栄で答えていました。「うちで待ってるんで、えへへへへ」とか言ってた。もうそろそろ空しいと思う。
さて、日付が変わるまでやさぐれるという会。けっこう豪勢であります。
鳥大の鳥は、半分が生といういいかげんな焼きっぷりを披露。僕は生肉は好きですが、鳥の生はあんまり食べないのです。
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ミスタには彼女がいませんが、部屋だけは小ジャレていてとても綺麗です。まるで「いつでも遊びに来てもいいけどね」といわん限りのコジャレっぷり。
そして僕らと話す間にも几帳面に指先で3ミリくらいのゴミを拾って捨てていたり、お母さん並にきれいに洗濯物をたたんでいたりと休まるところを知りません。「いつも掃除をしているから僕は週末は忙しいんです」。とのこと。もうゴミ拾いまくり。掃除機要らず。そういえば彼の家には掃除機がありません。
そんな姿を見て、僕はハリヨという絶滅危惧種(IA類CRクラス)のサカナを思い出しました。
■ハリヨ トゲウオ目・トゲウオ科 →
体長4〜6cmの淡水魚。岐阜・三重・滋賀の三県にのみ分布する。
産卵期になると雄は水底に水草や藻などでトンネル状の巣をつくり、雌が産卵するのを待つという習性がある。巣の作り方が未熟だと、雌は産卵に来てくれない。
雄、雌、ともに産卵が終わるとその命を終えてしまうという、寿命は1年とされている。 |
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「ミスタさんって、ハリヨみたいですよね」
おもわず口走ってしまいました。
キョトンとするミスタさんにハリヨという魚の事を説明すると、寂しそうに彼は笑うのでした。
 
「こんどから僕のニックネームはハリヨでいいです。合コンのときとかも『いや、ハリヨって魚がいましてね…』とか言ってみたりして。ハハハ・・・」
けっこう気に入った様子でした。でもなんかそう話す姿が無性に寂しく見えるのです。急に影がさすというか。
なんだかイジメてしまったようで、ちょっと申し訳ないので今後きちんと責任を持って「ハリヨさん」 と呼ばせて頂きます。いい話です…。
おでん屋の前でおでんを食うミスタ、いやハリヨさん→ |
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さて、時間もそろそろ日付をまたぐので、僕らは来年の抱負を語りました。
私(28)
「結婚する。結婚も彼女もできなかったら海外へ逃げる」
BMさん(25)
「彼女を作る」
ハリヨさん(35) 「テレビを見る」
…テレビ、を…見るですか。
「いや、世事に疎いのを直したくて、あ、それから女について語るのをやめます。ダメ出しとかやめます。『あの女はどうせ…』とかもう言いません。」
達成がとても疑わしい抱負ですが、頑張って下さいハリヨさん。ふがし、さしあげますんで。
「さかなって「ふ」とか大好きですよね」とリーダーもおっしゃっていました。
あと、来年はみんなで素敵な彼女をゲットして、クリスマスは6人でやりましょう。
そんな僕らにハリヨさんは帰り際一言。
「来年はもう来んな!」
嫌喜んでました。 |
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