高次団粒SF緑化システム
接着繊維工〈TG緑化工法〉 Textile Soil Green Method

特徴


TG緑化工法の施工図


使用材料
  1. 客土材「ジェットソイル」
  2. 肥料養生材「ジェットシードD」
  3. 安定剤「マグゾールD」
  4. 団粒剤「ソイルフロック」
  5. 補強材「グリーンルーバー」
  6. 配合種子
  7. 清水


TG緑化工法の断面模式図

吹付厚さは通常3pから10pまで。
種子は上部2cm層に混入します。
岩盤・土砂・切土・盛土などあらゆる斜面に施工できます。


適用範囲
  • 切土・盛土 3分勾配まで可
  • 岩盤・土砂・れき混じり土・酸性土
  • 湛水面
  • 法枠内

作業手順

@ソイルシーダーの小タンクで団粒剤水溶液をつくる。
Aソイルシーダーの大タンクで客土材,肥料養生材,安定剤,配合種子,水を混合して泥状化させる。
B連続繊維をセットする。 
Cスラリーポンプで@とAを空気吸引式ミキシングノズルへ送り,団粒反応させながら吹き付ける。

ノズル内では@とAが混合し,吸引された空気によって攪拌され,さらに連続繊維が絡み合い,泥状化に用いた余分な水が脱水され,団粒反応が起こります。団粒反応により,大小様々な孔隙を形成した基盤「高次団粒構造形成基盤」が造成されます。

TG緑化工法の概略図

 

連続繊維について

繊維の粘着性は吹き付け時にミキシングノズル内で加わります。高吸水性であるため,泥状基材に溶かしたアニオン系の接着剤を瞬時に吸収します。斜面に定着した後,疎水反応が起こり,強力な粘着性を発揮して土粒子と強固に結合します。
高αセルロースなどを原料とする植物繊維です。施工後しばらくは強度を保ち,土壌侵食を防止します。やがて土に埋もれた部分だけでなく,露出した部分も分解されます。
土壌残留による公害はありません。また,繊維の毛羽立ちによる鳥などへの害も心配ありません。

スラリーについて

「低濃度の泥状基材」は直径90〜110cmのフローがありますが,団粒反応後には,スランプ2cm以下の「耐侵食性の高次団粒形成基盤」となります。
フロー1mは,粘土粒子と団粒剤の絡み,団粒反応にとって最も適した濃度です。また,この濃度がタンク内の攪拌,スラリーポンプやホース,ノズルの送液にとっても都合のよい軟らかさなのです。
従来の厚層基材吹付工では,可塑性はあるが流動性のない状態で基材を吹付けていましたが,SF緑化システムでは,この常識を破って,フロー1mにもなる非常に流動性のある低濃度のスラリー(泥状基材)を使います。これが,高次団粒SF緑化システムの原点です。

団粒反応について

団粒反応は,団粒剤に含まれる長い線状の有機高分子と,客土材に含まれる粘土粒子が電気的に反応して絡み合うものです。
SF緑化システムでは,泥状基材と団粒剤を吐出時に瞬時に団粒反応させて脱水します。ここで,スラリーが塑性化し,スランプ2cmにまで流動性がなくなります。これにより,急斜面にも基材を厚く安定して付着させることができるのです。
団粒反応した基盤は,大小多数の孔隙をもつ構造となります。大きな孔隙は水はけと通気,小さな孔隙は水もちと保肥のはたらきをします。
このような構造は,植物の生育にとって好ましいだけでなく,この構造がもつ保水・透水機能により侵食に強い基盤となり,また斜面の水循環をも改善します。

フローテストとスランプテスト

施工前には必ずフローテストとスランプテストを行ってください。確実な高次団粒形成のために必要な作業です。どちらのテストにもスランプコーンを使います(上図参照)。
フローテストは,スランプコーンに泥状基材を入れ,取り外したときのフロー(円の直径)を測定します。90〜110cmが許容範囲です。
スランプテストは,団粒反応させた基材をスランプコーンにつめ,約3分後にスランプ値を測定します。2cm以内が許容範囲です。


TG緑化工法100m2当たり単価表(ラス張り,種子別途)

項目 材料費 労務費 機械運搬費 諸雑費 直接工事費計
平均吹付厚3cm          
平均吹付厚5cm          
平均吹付厚7cm          

各材料の単価については、「建設物価」「積算資料」等をご参照ください。
市場単価制度を適用される場合は、「厚層基材吹付工」の単価に準じます。


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