ゲノム調査:東北大など、宮城・岩手の15万人対象に開始 病気予防に活用
2013年05月21日
宮城県と岩手県の15万人を対象とした大規模なゲノム(遺伝子情報)調査を20日、東北大東北メディカル・メガバンク機構などが始めた。山本雅之機構長は「将来的には遺伝子を調べて病気を予防できるようになる」と意気込みを語っている。
2021年3月末までに同機構が県内で12万人、岩手医科大が岩手県内で3万人を調査する。呼び掛けに応じた協力者から、血液採取や問診などで行う。
解析を担当する安田純・東北大教授によると、生活習慣病など被災地で増えている病気が主な研究対象になるという。
この日は七ケ浜町主催の健康診査に合わせ、協力を申し出た住民95人を対象に、採血が行われ、問診票が配られた。
ゲノム調査は1人分の読み取りに2日間、解析には更に数日間かかるため、同機構は年度内に1000人分の解析を見込んでいる。
個人情報漏えいに対するセキュリティーについては「一番重要な問題で、二重の匿名化を行い万全だ」(山本機構長)としてる。
調査に協力した同町の主婦、阿部よしのさん(71)は「ぜひ研究に役立ててほしい」、会社員の石木田一彦さん(56)は「創薬ベンチャーを生み出してほしい」と期待を話した。【山越峰一郎】