インドネシア:パプア独立派締め付け…統治50年目で警戒
毎日新聞 2013年05月17日 20時33分(最終更新 05月17日 21時25分)
【ジャカルタ佐藤賢二郎】インドネシアからの分離・独立を求める住民運動が続く同国東部パプア州で、独立派に対する警察の取り締まりが強まり、逮捕者が続出している。逮捕された活動家は今月だけで30人を超え、対立の激化が懸念されている。
パプアは今年、インドネシア統治下に入って50年目で、独立派の活動が活発化。5月1日には、パプア・西パプア両州の6都市で、独立の是非を問う住民投票実施などを求めるデモがあった。その際、複数の都市でデモ隊が、法律で使用が禁止されているパプア「国旗」を使用。少なくとも22人が国家反逆罪などの容疑で逮捕された。また、西ジャワ州ソロンでは、警官隊の発砲でデモ参加者3人が死亡した。
今月13日には、パプア州の州都ジャヤプラで、ソロンでのデモ参加者射殺事件の調査を求めるデモがあった。これに対し警察は「デモの規模や方法が事前通告と異なる」として、「西パプア国家委員会」議長のビクトル・イエイモ氏(30)と活動家6人を拘束した。
イエイモ氏はパプアで最も影響力のある独立派指導者の一人で、国内外のメディアに警察の暴力行為を告発していた。同委員会の広報担当者は「警察は我々をテロリスト扱いしている」と批判。14日には首都ジャカルタの大統領府前でも、パプア人学生らが抗議行動をするなど、パプア人側は反発を強めている。