ホッとニュース 【8月6日03時30分更新】

いしかわ動物園の「デカ」逝く 日本一長寿のカバ

長寿を祝う会で好物のおからケーキを食べるデカ=2008年9月、能美市のいしかわ動物園
 いしかわ動物園(能美市)で飼育されていた日本一長寿のカバ「デカ」(雌)が5日、 58歳(推定)で死んだ。同園によると、飼育されているカバでは世界2位の高齢で、人 間では100歳以上に相当するという。

 アフリカ生まれの雌のカバ「カバ子」は昭和20年代後半の戦後復興期、カバヤ食品の 「キャンペーンガール」だった。カバが珍しかった時代、キャラメルの宣伝のため全国を 巡回したカバ子はどこに行っても子どもたちの人気者だった。石川に移って「デカ」に名 を変えた日本一の長寿カバが、静かに天国へと旅立った。

 カバ子を水槽付きトラックに乗せて1953(昭和28)年から54年まで九州、四国 を中心に宣伝に回ったという運転手、内田清さん(75)=岡山市南区山田=によると、 「カバ子」は近寄ってくる子どもを見ると水槽から顔を出し、大きな口を開け、愛嬌(あ いきょう)を振りまいていたという。

 いつしかカバ子は水槽に入りきらないほど大きくなり、55年に北九州市の到津(いと うづ)遊園に引っ越し。業者の手を経て石川県にやってきた。大きさから「デカ」と呼ば れ、それがそのまま名前になった。

 デカは石川で48年間過ごし、この間、15頭の子を産んだが、すべて先立たれ、19 89(平成元)年からは「一人暮らし」となった。内田さんは「自分の子どもが悲運だっ た分、人間の子どもたちを一生懸命、愛したのでしょう。自分の子どもの分まで長生きし ようと必死だったデカの姿が目に浮かびます」と、しんみりと話した。

 94年4月から4年間、園長を務めた宮崎光二さん(81)=金沢市暁町=は「カバ舎 の前を通って名前を呼んでやると、決まって口を開けるので、よく口の中を手でなでてや った」と思い出を振り返った。

 99年にいしかわ動物園が金沢市から辰口町(現能美市)に移転する直前から11年間 、園長を務めた山本康夫さん(66)=金沢市天神町=は「いつまでも長生きしてくれる と思っていた」と、悲しみに暮れた。15頭を産み、失ったデカを見守ってきただけに「 天国の子どもたちと仲良くしてほしい」と冥福を祈った。


その他のホッとニュース