酒気帯び運転容疑の男逮捕 知恩院塔頭、重文の門に車衝突
京都新聞 5月21日(火)13時9分配信
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車が突っ込み大破した知恩院塔頭良正院の門扉(21日午前3時55分、京都市東山区林下町)
21日午前2時10分ごろ、京都市東山区林下町の知恩院塔頭「良正院」の境内に止まっていた乗用車とバイクに、乗用車が衝突した。衝突された乗用車が約5メートル飛ばされて重要文化財の同院表門にぶつかり、門扉1枚(高さ約2・5メートル、幅約1・5メートル)が割れた。
衝突した車は、門近くの石碑にぶつかって止まった。運転手の呼気から基準値を超えるアルコールが検出されたため、東山署は、道交法違反(酒気帯び運転)の疑いで、大津市穴太、会社員森下雅樹容疑者(38)を逮捕した。
東山署によると、森下容疑者は現場近くの神宮道を北行中に、一方通行を逆走しかけていることに気付いてハンドルを切ったが、曲がり切れずに道路沿いにある境内の2台に衝突した。頭に軽傷を負っており、「祇園のクラブで飲酒した後、帰宅する途中だった」と供述しているという。
府教委文化財保護課や良正院の説明では、表門は江戸時代前期の1624〜44年ごろに建てられた。薬医門という形式で、1986年に重文に指定された。同院は、徳川家康の二女督姫を追悼するために建立された。
車がぶつかって止まった石碑は、福知山市出身の詩人真下飛泉が作詞した戦前戦中の流行歌「戦友」の歌詞が刻まれていることで知られ、台座が一部壊れた。
細井宏俊住職(57)は「最初は何が起こったのか意味が分からなかった。(門は)お金に替えられない価値があるだけにショックだ」とぼうぜんとしていた。
最終更新:5月21日(火)23時49分