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東通原発フィルター付きベント、17年3月完成予定
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東北電力は14日、現在運転休止中の東通原発について、今月下旬から6月上旬をめどに、原発の新規制基準で沸騰水型軽水炉(BWR)の再稼働条件となる「フィルター付きベント」の設置工事に着手することを明らかにした。完成は2015年3月の予定。免震機能を備えた緊急時対策所(免震重要棟)についてもフィルター付きベントとほぼ同時期に工事を始め、16年3月の完成を目指す。
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ベントは、原子炉格納容器の圧力が高まった際、容器が破損しないように内部の蒸気を外に逃がして圧力を下げる装置。東北電力などが採用したBWRには、圧力抑制室のプールをくぐり放射性物質を低減させて蒸気を放出する「ウエット」と、そのまま外部に放出する「ドライ」の2系統のベントが格納容器にあるが、フィルターはなかった。
東通原発に設置するフィルター付きベントは、従来のベントと別に、排気筒に向かって系統を新たに作る形で地下40メートルの地点に高さ24メートルのピットを埋設、その中に金属製のフィルターを置く。東北電力によると、フィルターを通すことで従来のベントに比べ、放射性物質の放出量を千分の1以下に抑えることができるという。
免震重要棟は、原子炉建屋から約800メートル離れた標高30メートルの地点に設置。テレビ会議ができる大会議室のほか、専用の非常用発電機などを配備し、約千人の収容が可能。災害時は260人が対応することを想定しており、日ごろから食料や飲料水を蓄えることで、外部からの支援がなくても1週間は対応できるという。
東北電力の増子次郎執行役員青森支店長は14日、青森市内で開いた会見で「万一、炉心が損傷した場合でも、フィルター付きベントとウエットを組み合わせれば、ベント機能の信頼性が一層向上する」と説明。同社は15年7月の東通原発再稼働を見込んでおり、増子支店長は「(ベントは)15年3月の完成なので(15年7月には)間に合う」との認識を示した。
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