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2013年5月16日(木) 東奥日報 ニュース



■ 青森市福祉バス廃止に落胆の声

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30年以上続いた「青森市福祉バス運行事業」。車いすを積んだ車内の様子=1981年(青森市広報広聴課提供、写真は一部加工しています)
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 大型バスを低料金で借りられる青森市の「福祉バス運行事業」が、市財政縮減のあおりを受けて3月末で廃止となった。ところが、利用団体などに事前の協議や相談はなく、3月末に文書で通知したのみ。本年度も利用を計画していた障害者、難病患者らの団体から「毎年楽しみにしていたのに」「自己負担が増して行事に支障が出る」などと、戸惑いや落胆の声が上がっている。市身体障害者福祉連合会(市身連)は近く、鹿内博市長に事業再開の要望書を提出する。

 青森市の福祉バス運行事業は、障害者や高齢者、母子家庭などの団体が、施設見学や会員同士の交流会、総会への移動手段などとして活用されてきた。

 しかし、市が耐震性に問題がある庁舎の建て替え経費捻出などのため事業の選択と集中を進める中で、「福祉バス予算は優先度が低い」(市障害者支援課)と判断され、今年3月での廃止が決まった。

 ところが、市が利用団体に廃止を伝えたのは、新年度予算案が市議会で可決された後の3月末。佃地区社会福祉協議会の坪清美会長は「研修会でバスを利用しようと計画していたのに…」と戸惑う。

 4月27日の市身連定時総会。氣仙正之会長は「福祉バスの廃止で今年は『障害者と家族の集い』が実施できるかどうか厳しい状況だ」と語気を強めた。

 集いは年1回、寝たきりの障害者も外出する貴重な機会。市身連は下部組織の4部会もバスを利用しており、年間で6台ほど利用してきた。2012年度は、大型バス1台の貸し切り料が1割負担の4200円で済んだが、事業廃止となった13年度からは1台当たり約5万円の経費が必要となる。

 県身体障害者福祉協会長でもある市身連の前田保副会長は「働きたくても働けない障害者もおり、年金をもらっても所得は微々たるもの。バス代の負担が増えるだけでも集いへの参加は難しくなる」と指摘する。

 全国パーキンソン病友の会県支部は毎年、福祉バスを活用した遠足で会員同士の交流を深めてきた。今年も6月に予定しているが、「(廃止で)実施できない可能性が高い」と西崎昭吉支部長。市に対し、「一度廃止になると再開は厳しいだろうが、何らかの形で同様の制度を復活できないだろうか」と求める。

 市身連は近く、福祉バス運行事業の再開を求める要望書を、鹿内市長に提出する。氣仙会長は「市に再考を促したい」と、障害者団体への配慮を求める考えだ。

 市健康福祉部の赤垣敏子部長は本紙取材に「市の意思決定前に各団体から意見を聴く場があるべきだったと思う」と配慮不足を認めた。その上で「社会参加の促進などにつながるような新たな支援策を検討している」と述べた。

 鹿内市長も取材に「市に復活を望む声が寄せられており、支援策を検討中」と答えた。

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