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南部鉄道OB会が解散総会
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1968(昭和43)年5月16日の十勝沖地震で甚大な被害を受け、廃線となった五戸町の南部鉄道のOB組織「鉄友会」が16日、同町まきば温泉で解散総会を開いた。会員は同町や八戸市などに住む60〜90代で、高齢化に伴い解散することになった。参加者は、地震の記憶や南部鉄道の精神は決して忘れまい−と、今後もそれぞれが語り継いでいくことを誓い合った。
総会には18人が出席。幹事を代表して豊田重男さん(72)=八戸市=が「地震による線路崩壊から45年の節目に、会を解散したい」と提案、満場一致の拍手で解散を了承した。
会員は、会場に貼られた被害状況の写真などを見ながら当時の苦労話などを語り合った。最高齢の三浦幸男さん(90)=五戸町=は当時、勤務していた正法寺駅で地震に遭遇。「当初はそんなに大きな被害が出ているとは思わなかった」と振り返り「解散でみんなに会えなくなるのは寂しい」とポツリ。
地震直後、同町の本社から線路を歩いて被害調査したという浪打泰さん(77)=同=は「廃線が決まった時はつらかった」と吐露。「地震のたびに45年前を思い出す。今後も若い人に地震の怖さや、鉄道の歴史を伝えていかなければならないと思っている」と語った。
七崎駅の駅員だった豊田さんも「南部鉄道は私たちの夢と希望だった。解散するのは本当に残念だが、私たちはいつまでも仲間であり、鉄道への思いはこれからも変わることはない」と話していた。
南部鉄道は、五戸−尻内(現八戸)駅間12.3キロを結び年間約82万人が利用していたが、十勝沖地震の翌69年3月に廃線となった。
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