靴から放屁似の音、デート失敗…販売店に慰謝料請求=中国

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  中国の武漢市江夏区に住む男性が、買ったばかりの靴から放屁のような音がしてデートが台無しになったとして、靴の販売店に対して返品と慰謝料を請求した。行政当局が仲裁して、店は靴の中敷きの交換と見舞金を支払うことで結着した。中国新聞社が報じた。

  男性の名は楊さん。29歳になるが、これまで恋人ができなかった。そこで職場の同僚に女性を紹介してもらった。「結婚も視野」として初デートに臨むことになったという。

  中国では「男は足元、女は容貌」と、男性は靴などのおしゃれに気を使うべきとの言い方がある。楊さんは相手女性によいイメージを持ってもらおうと、デートに備えて新品の靴を買うことにした。訪れた靴屋で、店員が「通気性があり健康にもよい」と勧める革靴を購入したという。

  デートは順調だった。武漢市内でも有名な行楽スポットである譚〓培公園に行き、遊んだ。楊さんだけでなく、女性も十分に楽んだ。(〓は「品」の「口」を「金」に変える)

  ところが帰りのバスの中で思わぬ事態が発生した。靴から時おり「プー、パー」という音が響いてきた。まるで放屁のような音で、周囲の乗客はふたりを避けて移動した。楊さんに「公共の場所での礼儀を知らないのかね」と注意する乗客もいたという。

  楊さんは女性に「屁ではありません。靴から出てくる音です」と説明しようとしたが、しどろもどろになってしまった。女性は顔を赤らめ、最後には逃げて行ってしまった。

  楊さんは、「人前で濡れ衣を着せられた。結婚にも失敗した」と激怒して、靴を販売した店に怒鳴り込んだ。楊さんは返品と慰謝料を請求したが、店側は「靴の履き方が悪い」として拒絶した。

  おさまらない楊さんは、消費者のクレームを処理する行政の商工部門に訴えた。商工部門の担当者が靴販売店に足を運んだ。店側は、靴が製造品規格に合格しているとの証明書を示した。

  「異音の発生」について尋ねたところ、店側は通気機能を持たせるために中敷きに小さな穴を開けており、化学繊維の靴下を履いていた場合、静電気の関係で靴下が中敷きにへばりつき、空気の流れにともない異音が発生する場合があると説明。木綿の靴下なら、異音が発生することはないと付け加えた。

  商工部門の担当者は「店側には、販売時に使用上の注意を詳細に説明しなかった落ち度がある」と判断。店側が楊さんに謝罪するとともに見舞金を支払い、靴の中敷きを交換することを提案した。楊さんと店は、商工部門担当者の意見に従うことにした。

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◆解説◆
  中国では各地の商工部門が、商品についての消費者側のクレームを受け付ける担当セクションを設けている。販売店などが苦情を受け付けない場合、消費者が担当セクションに訴える場合も多い。

  消費者の言い分が「あまりにも行き過ぎ」と判断した場合、商工部門が「販売側に責任はない」とはねつける場合もある。逆に、販売者側があまりにも悪質と判断した場合には、警察などに通報して捜査対象にする場合もある。

  消費者が商工部門の対応に納得しない場合、インターネットなどで“告発”する場合もある。問題が大きくなると、商工部門の担当者が行政部門の“上級”から責任を追及されることになる。その意味で、中国政府がしばしば言及する「社会による監督」は機能していると言える。

  ただし、組織ぐるみで問題をもみ消そうとしたり、特別なコネが働いた場合には真相が明らかになりにくいなどの問題は存在する。(編集担当:如月隼人)

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