NY連銀総裁:量的緩和の次の行動、拡大か縮小か確信持てず
5月21日(ブルームバーグ):ニューヨーク連銀のダドリー総裁は、連邦公開市場委員会(FOMC)が取るべき次の行動について、債券購入プログラムの拡大か縮小か自身はまだ判断していないと述べた。また過去最大規模の資産購入からの引き揚げについて、戦略を見直す必要があるとの認識を示した。
総裁は21日、ニューヨークのジャパン・ソサエティで講演し、「先行きが不透明なため、次の政策変更が拡大と縮小のどちらになるか確信は持てない」と語った。
さらにダドリー総裁は2011年に立てた「出口戦略に関しての当局の考え方を見直す必要があるかもしれない」と述べた。出口戦略は、バランスシート上の資産の再投資をやめ、短期金利を引き上げ、最終的に住宅ローン担保証券(MBS)を売却するというもの。この戦略について総裁は「いくつかの点において現状にそぐわなくなっているようだ」と説明した。
総裁は、当局がMBSの売却計画を取りやめる可能性もあると指摘。「委員会は政策正常化を進める中で市場機能を混乱させるリスクを減らしたいと考えており、正常化プロセスの初期段階ではMBS売却の回避を示唆することもあり得る」とし、「さらには、委員会は長期金利が急上昇するリスクを最小化したいと望んでおり、そうした点からMBSを売却しない方が良いと判断する可能性もある」とした。
講演後の質疑応答で同総裁は米国のインフレに関する質問に対し、物価上昇ペースの鈍化についてはあまり懸念しておらず、これ以上緩やかになれば「驚きだ」と発言。インフレ期待は依然抑制されているが「注視している」と述べた。
ダドリー総裁は連邦準備制度理事会(FRB)のこれまでの政策アプローチが「完璧には程遠かった」とした上で、09-12年に成長見通しに楽観的になり過ぎていたと指摘。「今思えば刺激策は不十分だった」と述べた。
原題:Dudley Says He Can’t Be Sure If Next QE Move Is ‘Up orDown’ (3)(抜粋)
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更新日時: 2013/05/22 07:13 JST