妊娠中に母親の血液中に含まれる胎児のDNAを調べ、父親を特定する親子鑑定の出生前診断ビジネスが、日本でも始まった。母親と、父親と考えられる男性の血液を調べれば、父親かどうか、10日間で99%以上の確率で分かるという。手軽な検査で中絶につながれば、倫理的に問題があるとして、日本産科婦人科学会は会員が原則として協力しないよう指針を改定する。
この鑑定ビジネスは米国の検査会社が昨夏から始めた。日本では東京と沖縄の2業者が約1年前から始めた。妊娠9週以降に、母親の血液20ccと父親候補の血液5ccを採取し、米国の会社に送り解析する。料金は13万円。従来の羊水を調べる親子鑑定法は、流産のリスクもあり、15週前後からしか使えなかった。
東京の業者によると、昨年10月に検査を始め、計約130件を鑑定し、6割が女性からの依頼という。担当者は「血液検査は、妊娠週数の早い段階で結果がわかる。今後、依頼者は増えるだろう」と話す。沖縄の業者はこれまでに約20件行ったと説明する。