地方福島の保育関係者 震災後、心身とも疲弊 仕事続けたいが意欲低下2013.5.14 01:59

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福島の保育関係者 震災後、心身とも疲弊 仕事続けたいが意欲低下

2013.5.14 01:59

 東日本大震災後も福島で仕事を続けたいが、意欲は低下している-。保育関係者を対象に、立命館大大学院の石倉康次研究室が行った調査で、こんな実態が明らかになった。保育関係者の9割は県内で働くことを望んでいるが、同時に震災に伴うストレスを今も感じているという。同研究室は近く、国に対して保育現場の労働条件の改善などを要請する。

 調査は昨年12月から今年1月にかけ、県内354カ所の保育所や学童保育所と、保育関係者を対象に実施(回収率は33・9%)された。原発事故後、「引き続き現地で保育を続けたい」と答えた人は9割に達し、「検討中」「できれば移転したい」(どちらも1・7%)を大きく上回った。

 労働実態は悪化しており、「震災後、仕事が増えた」と答えた人は62・5%。その仕事内容は「放射線量の計測」が93・3%と最も多かった。9割近くの保育関係者が震災に伴うストレスを今も抱え、肩こりや首こりに悩まされ、睡眠不足に陥っていた。「仕事への意欲の低下」は震災直後よりも高まっていることも分かった。

 健康状態には「地域差」がうかがえる。福島第1原発に近い浜通りほど「ストレスを実感する」割合が高かった。労働条件の改善点として「賃金の改善」と「必要な職員数の確保」はどちらも7割を超え、「休日の確保」も3割に上った。

 石倉教授は「保育士らは子供を守る最前線にいることを実感した。しかし、それにふさわしいサポートが得られず心身両面で限界に近づいている。福島で職員を募集しても来ないような状況は、子供を守る職務への意欲の低下という事態を招いてしまっている」と指摘している。

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