今回の「ウィークリーbj」は年間王者を決める「ファイナル」(19日、東京・有明コロシアム)をリポート。ともに初Vを目指した東カンファレンス2位横浜ビー・コルセアーズと西カンファレンス2位ライジング福岡の対戦は、横浜が101―90で勝った。横浜はチーム創設2年目での栄冠。亡き父への思いを胸にプレーした主将の蒲谷正之(30)がプレーオフMVPに輝いた。
蒲谷は試合開始から“ゾーン”に入っていた。いきなりの11連続得点などでチーム最多の35得点。40分間の激闘のうち、ベンチに退いたのはわずか1分19秒と、キャプテンの名にふさわしい活躍で横浜をbjリーグの頂点に導いた。原動力となったのは、昨年6月20日に亡くなった父・修平さん(享年64)が残したメモだ。前夜までは酒を一緒に飲むほど元気だったにもかかわらず、急性心不全で帰らぬ人に。遺品を整理していると「ディフェンスをもっと勉強しろ」「練習で泣いて、試合で楽しめ」などと書かれたメモを見つけた。
昨季3位から優勝を目指した今シーズン。蒲谷は常にこの“遺言メモ”が書かれた紙片を財布に入れ、自らに言い聞かせ続けた。
前日の東地区ファイナルは今季1勝3敗の苦手の新潟に54―52で勝利。前夜は「興奮して羊を500匹まで数えても眠れなかった」(蒲谷)にもかかわらず「最初からアドレナリンが出て、ゴールが大きく見えた」。間違いなく天国の父が与えてくれた力だろう。
本拠地の横浜市には野球のベイスターズと、Jリーグが2チーム。プロチーム最後発ということで知名度の低さが悩みの種だったが、優勝という最高のアピールをした。
観衆はファイナル史上最多の9764人。bjリーグとしても8シーズン目で初の首都圏チームが頂点に立つという意義ある優勝となった。
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