<広島2−3ロッテ(20日)>広島のエース・前田健が20日のロッテ戦(QVCマリン)で、初回にまさかの失点だ。四球と安打で招いたピンチに加え、味方の拙守にも足を引っ張られ、この回だけで2点を奪われた。2回以降はなんとか立ち直ったが、8回に3点目を失った。打線は相手先発・西野に三振を量産させられた。最終回には1点差まで追い上げたが、反撃もそこまで。これで3連敗。長い“トンネル”になりそうだ。
試合前から雨が降るあいにくのコンディションの中、マエケンはいつものように入念に体操で体をほぐしてから、1年ぶりとなるQVCマリンフィールのマウンドに立った。ここから球界を代表するエースの快投ショーが始まると思われたが、初回、思わぬ展開が待っていた。
先頭の根元に粘られた末に四球で出塁を許す。一死二塁から井口の中堅方向の飛球を、なんと中東がポロリ。記録は二塁打となったが、失策といっていいまずいプレーだった。これで二、三塁となり、今江の二ゴロの間に三塁走者が生還。清田には左前適時打され、この回2点を先制された。
今季はこの試合まで4勝1敗、防御率0・64。規定投球回に達している中では12球団唯一の“0点台投手”が、まさかの2失点。前日の試合で中村恭が苦しめられた毎秒7メートルの強風はこの日は毎秒3メートルの横風と少し弱めだった。「狙いは変わるけど影響はない」と話していたが、多少は手元を狂わされたのかもしれない。
それでも2回以降はエースの意地で見事に立ち直った。2回から4回までは三者凡退で切り抜けると、5回一死一、三塁のピンチも荻野貴、井口を危なげなく打ち取り、味方の反撃を待った。
ところがマエケンの期待をよそに、打線は西野の前に沈黙。4回には2打席連続見逃し三振のルイスが、球審に暴言を吐き退場となるなど重苦しい空気が漂った。6回一死一、二塁のチャンスも、ニックが三ゴロ併殺に倒れ無得点に終わった。結局、西野には8回まで12三振を奪われる始末。三振と拙攻ばかりでは、点がとれるわけがない。
しびれを切らした前田健は8回二死満塁から押し出し四球で3点目を献上。9回の攻撃では松山の適時二塁打などで2点を返し1点差としたが、そこまでだった。この3連敗で交流戦初戦から3連勝した分はすべてチャラになってしまった。精神的支柱であるエースで勝てなかったダメージは尾を引きそうだ。
選りすぐりの鑑定士が常時100人所属し、本格的な占いが手軽に体験できる「占い師の助言DX」。東スポWeb読者限定!2000円分のポイントをプレゼント。