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【大相撲】

稀勢の里 初の初日から9連勝 場所中断酒 仕切りも改良

2013年5月21日 紙面から

稀勢の里(左)が押し出しで豊ノ島を下す=両国国技館で

写真

◇夏場所<9日目>

(20日・両国国技館)

 大関稀勢の里(26)=鳴戸=が豊ノ島を押し出し、横綱白鵬(28)=宮城野=も碧山を引き落として全勝を守った。鶴竜は大関対決で琴奨菊に寄り切られ、1敗に後退した。琴奨菊は7勝2敗になった。横綱日馬富士は関脇豪栄道を上手投げで退けて7勝2敗とした。豪栄道は4敗目を喫した。かど番の大関琴欧洲は6勝目を挙げた。白鵬と稀勢の里を1敗で鶴竜、2敗で日馬富士、琴奨菊と時天空が追う。

 ひと皮むけた稀勢の里の成長ぶりが、この一番に凝縮されていた。直前に同じ全勝の大関鶴竜に土が付いた。館内に不穏な空気が流れる中、立ち合いは一瞬、もろ差しになった豊ノ島が有利。振りほどいて得意の左四つに組み直す稀勢の里。以前ならここで力任せに前へ出て行っただろうが、まわしが取れない分、じっくりと機をうかがって我慢。

 「ちょっと焦ったが、慌てずに。冷静に行こうと思っていた」

 相手が動くのを待って強烈な左のおっつけで上体を起こし、土俵際に追い込んで盤石の形を作ってからとどめを刺す。初日から無傷の9連勝は、2004年夏場所で関取になって以来自己初だ。

 「以前だったら? どうですかね。でも自分は自分。(鶴竜の負けを)そこまで気にすることじゃない。本当にいい集中ができている。(9連勝は)一日一日の積み重ねです」と貫禄を示した。

 昨年の秋ごろから場所中の飲酒をやめた。「もともとそんなに好きじゃないから」と話すが、健康管理には見違えるほど気を使うようになった。きっかけは1年前の夏場所。11日目を終え、V戦線で2差リードしながら急ブレーキ。初優勝の絶好機を逃している。

 「当時の反省はあると思います。一生懸命やってきたこと、つらかったこと。そういったものを生かしていかないと。意味のない相撲人生にはしたくないですから」

 今場所から、これまで自粛していた出稽古を解禁。また仕切りで従来まで腕を伸ばしていたのを少し肘を曲げる構えに改良したのも壁を破ろうとする意欲の表れだ。

 師匠の鳴戸親方(元前頭隆の鶴)は「本当に頑張っています。勝ち星も付いてくるから気持ちも乗ってくる。一生懸命やっている結果ですよ」と手放しで褒めた。

 いよいよ横綱白鵬との一騎打ちの展開に「焦る必要はないし、気負う必要もない。まあ何とか粘っていきたいですね」。直接対決まで白鵬に食らい付く気構えはできている。

  (竹尾和久)

 

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