ワンポイントのみの出場でもサーブで示した存在感。
日本では絶対エースであった木村が、ワンポイントのみの出場に留まる。日本での活躍を知るものからすれば、いささか物足りなく感じられる部分もある。だが、川北コーチ曰く「チーム内のサーバーで最もブレイクポイント率が高い」のが木村だ。
チャンピオンズリーグの準決勝でワクフバンクに敗れたガラタサライには、日本代表のリベロ、佐野優子がいる。フランス、アゼルバイジャンと海外リーグを渡り歩いてきた佐野も、1年目の木村を「十分合格点」と高く評価する1人だ。
「出番は少ないかもしれないけど、重要なポイントで仕事をする。沙織だからできる役割だし、対戦相手としてはすごく嫌な選手です」
チャンピオンズリーグの決勝でも、全セットの終盤に投入され、連続得点の契機をつくった木村を、クィディッチ監督も「彼女は並外れている。最初のシーズンは難しいが、必要とする仕事をしてくれた」と称賛した。
すべてが理想通りとは言えないが、知りたかった「世界」を体感できた。なおかつ周囲からも、及第点と取れる評価も与えられた。
普通はそこで「来季はもっと活躍したい」と欲を抱く。だが、木村の場合は違った。
驚くことに、ヨーロッパ王者となる2カ月前には、全く別の決断を胸に抱いていた。
◇ ◇ ◇
トルコに赴いた全日本・眞鍋政義監督との会話で木村が口にしたのは、
何と「引退」という言葉だった。指揮官も驚きを隠せなかった宣言だったが、
彼女は自分のプレースタイルを見直していくうちに翻意することになる。
それは、欧州女王の一員となった日本のエースに芽生えた自我だった――。
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