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2013年5月21日(火)付

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政治家の言葉―橋下さん、やっぱり変だ

言葉は政治家の武器である。日本維新の会の橋下徹大阪市長は、そのことをよくわかっている政治家だと思う。だが、今回ばかりはその使い方を間違えている。橋[記事全文]

高速道路―借金返済を延ばすなら

全国の高速道路で、今後直面する大規模な改修や造り直しの費用をどうまかなうか。国土交通省は、道路建設にかかった借金の返済期限を先延ばしして、資金を捻出する方針を固めた。今[記事全文]

政治家の言葉―橋下さん、やっぱり変だ

 言葉は政治家の武器である。

 日本維新の会の橋下徹大阪市長は、そのことをよくわかっている政治家だと思う。だが、今回ばかりはその使い方を間違えている。

 橋下氏は19日、維新の会共同代表の石原慎太郎氏に会い、旧日本軍の慰安婦をめぐるみずからの発言が混乱を招いたとして陳謝した。

 ただ、発言そのものは撤回していない。それどころか、メディアの報道を「大誤報」だと決めつけ、「日本人の読解力不足」とまで言い切った。

 橋下氏は1週間前、記者団にこう語った。「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で、命をかけて走っていくときに、どこかで休息をさせてあげようと思ったら慰安婦制度は必要なのはだれだってわかる」

 その後の取材に、女性の人権の大切さを強調もしている。だが、この発言に端を発した騒動を「読解力不足」と言い逃れするのは、見苦しくないか。

 橋下氏はこれまでも、大胆な言動で世間の耳目を集めてきた。去年は竹島について「(韓国の実効支配という)事実を武力でひっくり返すわけにはいかない。共同管理にもっていかないと」と語っている。

 批判を恐れず、本音で物事を前に進めようというのが「橋下流」だ。一方で、過ちがあれば撤回する潔さもあった。世論の一定の支持を得てきたのは、そのためだろう。

 ところが今回は、明らかに一線を越えている。一連の発言の中で、沖縄の米海兵隊司令官に「もっと風俗業を活用してほしい」と言ったのは、その最たるものだろう。

 米政府の不興を買ったからというのではない。

 意に反して米軍基地の重荷を負わされている沖縄。その中にあって、さまざまな事情から風俗業で働く女性たちを「活用しろ」という無神経さに、多くの人はあきれたのだ。

 しかも、言葉を重ねていくうちに、傷口を広げている。

 政治家の言葉は、世の中の異なる利害を説得によって調整するためのものだ。社会の少数者に光をあて、励ますこともまた大きな役割だろう。

 みずからの言葉がもたらす結果に、責任を負わなければならないことももちろんだ。

 橋下氏は、50人を超える国会議員を擁する公党の代表だ。

 意表を突く発言で注目を集め、批判する者はあらゆる理屈をつかってやり込める。

 こんな大人げないやり方は、もう卒業してはどうか。

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高速道路―借金返済を延ばすなら

 全国の高速道路で、今後直面する大規模な改修や造り直しの費用をどうまかなうか。

 国土交通省は、道路建設にかかった借金の返済期限を先延ばしして、資金を捻出する方針を固めた。今後、関係する審議会で議論が進む見通しだ。

 旧道路公団の民営化でうたわれた「2050年までに旧公団の約40兆円の借金をすべて返し、高速は無料にする」との計画は、名実ともに破綻(はたん)する。

 改修をめぐっては、首都高速会社が今年初め、「約9千億円が必要」と発表したのを皮切りに、東、中、西日本の各高速会社や阪神高速会社も同様の試算を示した。合計すると現時点で7兆円近くになる。

 05年の民営化では、事前に日々の維持修繕費は計算していたものの、大規模改修費は考慮されていなかった。

 料金を無料にすれば、老朽化対策は税金で進めることになるが、国の財政難を考えると現実的ではない――。関係者の多くが、当時から計画の危うさを認識していたようだ。

 無責任というしかない。

 国民の安全・安心にかかわるだけに老朽化対策を怠ってはならないが、条件がある。

 まず、新規着工から改修へ、政策の重点を完全に変えなければならない。

 「民間の経営判断にゆだね、むだな道路を造らない」ことが民営化の目的だったが、税金で整備する「新直轄方式」も用意された。これが、費用対効果に疑問符がつく路線を増やす抜け道になっていないか。

 いったん造ればいずれ改修が必要となり、また税金をつぎ込むことになる。人口減のなか、国民負担を抑えるには、新規着工どころか、代替ルートのある老朽化路線の閉鎖も必要だ。

 そのうえで、返済期限の先送りで浮かせた財源が、確実に改修にあてられる仕組みが不可欠だ。財源を別管理で積み立てるなど、透明性の高い制度を作るべきである。

 国交省が返済延長を探る背景には、改修以外の問題もある。

 08年秋、麻生政権時に3兆円かけて始まった高速料金割引の財源が今年度で底をつく。国交省は景気への配慮から、割引を見直しつつも続ける考えだ。

 しかし、財源をなし崩しにあてることは許されない。

 民主党政権時代を含め、高速料金は目先の景気下支えと人気取り対策から、猫の目のように変更されてきた。こんな政策とは決別しなければならない。

 これも、返済延長の条件の一つである。

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