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社民、消滅に危機感 候補擁立断念 参院選青森選挙区
社民党青森県連(代表・三上武志青森市議)が、昨年末の衆院選青森1〜4区に続き、夏の参院選青森選挙区(改選数1)にも候補者を擁立できなかった。反原発を党是としながら、福島第1原発事故後の国政選挙で「不戦敗」が続く。支持者からは「青森の社民は消滅してしまうのではないか」と危惧する声が上がっている。
県連は昨年の衆院選で初めて小選挙区に候補者を擁立できず、比例東北ブロックの集票に力を入れた。だが、結果は県内の比例票が1万4917票と、2009年の前回衆院選に比べ2万2809票も減った。 県連幹部は「ひどい結果だった。この惨状を夏の参院選で打開したかったが、擁立できなかった」と唇をかんだ。 県連は夏の参院選の候補者選考の期限を、当初の3月から5月の大型連休明けに延ばし、最後まで擁立の可能性を探った。それでも不戦敗を回避できず、幹事長の斎藤憲雄青森市議は「青森は候補者が乱立しており、埋没しかねない。党の力量を考えるとやむを得なかった」と話した。 県連は1975年の旧社会党時代、国会と県、市町村を合わせて58人の議員を擁したが、現在は市町議員12人にとどまる。 県連幹部は「所属議員の半数は高齢で、世代交代を迎える時期にきている。解党が現実となりかねない危機的状況だ」と声を曇らせる。 3月に開いた定期大会では、財政難で各地域で事務所を開設できず、若い世代も入党しない実情などを訴える声が相次いだ。脱原発を目指す市民団体の結集を図る必要性も指摘された。 本年度は、社民とは関係ない反原発集会にも積極的に参加して交流を広げたり、県内100地域で集会を開いたりして党勢回復を図る。 最大の支持団体で、県内自治体の労働組合を中心につくる県平和労組会議の江良実議長は、「最近は『死に票になる』と組合内にも社民を敬遠する人がいる。県民の支持を広げるには、地道に街頭活動などを重ねることぐらいしか方策が浮かばない」と嘆く。
2013年05月20日月曜日
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