連敗脱出へ険しい表情で体を動かすグランパスのGK楢崎=愛知県豊田市のトヨタスポーツセンターで
|
 |
名古屋グランパスのGK楢崎正剛(37)が20日、4連敗中で14位に低迷しているチームの現状を見つめ、「気持ちで負けないようにしないと」と鼓舞した。勝っても負けても課題を冷静に分析する楢崎が精神面を強調するのは珍しい。敗戦続きでどん底ムードのチームに、主将として活を入れた。
近年なかった連敗地獄で、チームに漂う重苦しいムード。降格圏すら間近になった苦境を真っ正面から見据え、楢崎が口を開いた。
「精神面のことを言いたくはないけど、気持ちで負けないようにしないと。次の試合までに戦い方を大きく変えることは難しい。自分たちのスタイルを思い出して戦わなければ」
この連敗中、楢崎はカウンターに対する守備の甘さなどを繰り返し敗因に挙げた。戦術的に弱点があるから負けると語ってきたのだが、18日の鹿島戦で4連敗を喫し、精神面での立て直しも不可欠と悟ったようだ。
「負けが続いてポジティブな精神状態になれない。リードしてからバラバラになる。必死さが空回りしている」
最近2試合は先制点を奪いながら逆転負け。優位に立ってから逆に浮足立つ現状にも、メンタルの弱さが出ていると楢崎は語る。
ストイコビッチ監督の見方も楢崎と大筋で一致している。19日の練習前には主力選手を集め、「他の監督なら負けが続くと選手を入れ替えるだろうが、私はこのメンバーに自信を持っている。自信を失うな」と穏やかに語りかけた。
一人一人の地力は高い。優勝した2010年のように一つの塊となって戦えば、残り22試合で巻き返すことは十分できる。楢崎の熱い檄(げき)がチームを変える。 (木村尚公)
この記事を印刷する