先週の金曜日に友人のDEDEが亡くなり、こんどはKIEYO か、こんなに続くのは些かきつい。
キーヨは私とテレビをつないだ男である。彼が｢また逢う日まで」を歌わなかったなら、それが大ヒットしなかったなら私はテレビの仕事をしていなかった。
尾崎紀世彦の新番組を制作するからその演出をしないかと声がかかった。当時のテレビ局は今のように簡単に外注は出来ない時代、演出をしたいなら社員になれと言う事で局に入社した。新卒の学生と並んで形式的に入社試験を受け、伸ばしていたロングヘアーをメーク室でカットしてもらって面接を受けた。
番組のタイトルは「フィーリングNOWNOW・尾崎紀世彦ショー」、２１時からの３０分番組。紀世には洋楽を毎週選曲して歌ってもらった。彼のレパートリー以外からの選曲が多かったので、何年かして「あんなにきつい番組は無かった」と言っていた。
私は彼の歌う「明日に架ける橋」とハワイアンの「アカカフォール｣が好きだ。番組ではいつもタキシードを着て出演してもらった。黒のタキシードが最も似合う男だと今も思っている。
世にもまれな強い声帯の持ち主、あんなに魅力的な声の歌手はもう出現しないだろう。
失踪の記事を見て心配し、入院していると言う情報を得て少しほっとしたのに急な結論、なんともやりきれない気分である。
もう一度生の歌を聴きたかった。まことに残念である。