乳がん予防切除 2病院が計画5月20日 17時37分
遺伝子の検査で乳がんのリスクが高いと判定された人を対象にあらかじめ乳房を切除する手術を東京の2つの病院が計画していることが分かりました。
国内で毎年推定6万人に発症する乳がんのうち、およそ10%は特定の遺伝子の変異によって起きるとみられ、この遺伝子の検査結果を基にハリウッド女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが乳房の切除手術を受けたことから話題になりました。
東京・中央区にある聖路加国際病院が、同じ遺伝子の検査で乳がんのリスクが高いと判定された人を対象にがんを発症していない乳房をあらかじめ切除する手術を計画していることが分かりました。
すでに院内の倫理委員会の承認を受けていて、希望する人が出た場合、出産して授乳する予定がないかどうかなどについて改めて検討し、実施を決めるということです。聖路加国際病院はこれまでも乳がんの患者を対象に、がんを発症していないほうの乳房を予防的に切除する手術を行った実績があるとしています。
一方、東京・江東区にあるがん研究会有明病院も、乳がんの予防を目的にあらかじめ乳房を切除する手術の実施態勢を整えることになり、来月にも院内の倫理委員会に臨床研究として申請する計画を明らかにしました。
がん研究会有明病院遺伝子診療部の新井正美部長は「遺伝子変異のある人すべてに予防の手術が必要になるわけではないが、発症の不安に苦しむ人に選択肢を与えるための態勢を作っておきたい」と話しています。
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