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重粒子線で乳がん治療 臨床試験へ5月20日 18時34分
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早期の乳がん患者に対して、がん細胞を破壊する力が強い重粒子線と呼ばれる放射線の一種を使って治療するための臨床試験に、千葉市の放射線医学総合研究所が国内で初めて乗り出すことになりました。
手術をせずに、乳がんを完治できる可能性があると期待されています。
重粒子線は、炭素イオンを高速に加速してできる放射線の一種で、がん細胞を破壊する力が強く、がんの患部に局所的に当てる治療に利用されています。
千葉市の放射線医学総合研究所は、これまで前立腺がんや肺がんなどで治療を行ってきましたが、60歳以上で腫瘍が2センチ以下といった一定の条件を満たす早期の乳がん患者を対象に、治療に向けた臨床試験を始めることになりました。
乳がんは、手術による切除と放射線の照射を組み合わせた治療が行われていますが、重粒子線治療の場合、手術の必要がなく、患者の身体的な負担が軽くなるほか、治療にかかる期間も短くなるということです。
臨床試験は、今後2年間でおよそ20人を対象に行われ、効果や副作用の検証を進めるということです。
放射線医学総合研究所重粒子医科学センター病院の唐澤久美子医師は「今回の対象は、比較的症状の軽い乳がんの患者だが、これまでの治療法では、手術や長期間の通院で患者の生活が制限されるのに対し、僅か4日で治療を行えることに大きな意味がある。将来は治療装置のコストを低くし、対象となるすべての患者を治療できるようにしたい」と話しています。
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