三沢まつり:寺山作品の山車 「人魚姫」「毛皮のマリー」モチーフ イラストレーター・宇野さんデザイン /青森

2013年05月17日

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「毛皮のマリー」を元にした、山車のデザイン画を説明する宇野さん(右)と九條さん=三沢市役所で

 没後30年を迎えた寺山修司の戯曲「毛皮のマリー」や「人魚姫」をモチーフにした山車が、8月に三沢市である夏祭り「三沢まつり」に登場する。元夫人で、三沢市寺山修司記念館名誉館長の九條今日子さんと、山車をデザインしたイラストレーターの宇野亜喜良さんが16日、三沢市役所を訪れ、種市一正市長に報告した。

 昨夏の「三沢まつり」を見て感激した九條さんが「ぜひ記念館の山車を出したい」と、同館に相談したのがきっかけ。宇野さんは寺山作品の表紙や挿絵、舞台美術やポスターも手がけており、九條さんがデザインを依頼した。

 宇野さんは寺山の短歌の情景や芝居の場面を元にスケッチを作成。「(寺山の)新しいものを作り出そうという精神、近代的な発想、ノスタルジックな日本人の情感を混交したようなものを(作りたい)と思った」と振り返る。

 記念館から製作を持ちかけられた薬師町内会も、「周辺の街にはない、三沢オリジナルの山車を作りたいと思っていた」(同町内会の大久保光留さん)と快諾した。

 山車は高さ4・5メートル、幅3・4メートル、奥行き8メートル程度になる見込みで、8月22日の三沢まつり前夜祭でお披露目される。まつりは25日まで。町内会ごとに15台の山車が街を練り歩く。【伊藤奈々恵】

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