寺山修司:没後30年 「寺山さんは僕の原点」 三上博史さん、思い語る−−三沢 /青森

2013年05月06日

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寺山の命日の4日のイベントで寺山作品を朗読する三上博史さん=三沢市の寺山修司記念館で

 県出身の歌人で劇作家・寺山修司が死去して30年となる4日、「三沢市寺山修司記念館」で野外朗読ライブを行った俳優の三上博史さん。ライブ後に寺山への思いを聞くと「寺山さんは僕の原点」と語った。

 三上さんが寺山と出会ったのは高校1年の時。友人が勝手に申し込んだ映画のオーディション会場だ。

 会場で白塗りの人たちが全裸で踊る光景に驚いた三上さん。ぼうぜんと見ていたら、後ろから声をかけられたという。「君、名前なんていうの」と寺山。「三上です」と答えたのが最初の会話だ。

 最終審査に残り寺山が監督した「草迷宮」(79年公開)の主演でデビュー。実は他の審査員の評価は高くなかったという。「後から知った評価はBプラス。寺山さんの一言で審査に残ったんでしょう」と振り返る。三上さんはこの後、演劇実験室「天井桟敷」の活動に加わり、演劇にのめり込んでいった。

 寺山について三上さんは「既成の価値観を壊してくれた人。価値観は自分でつくるものだと教えてもらった気がする」と話す。4日のライブでは、寺山の絶筆の「墓場まで何マイル?」などを朗読。来場者は目をとじて聴き入っていた。【伊藤奈々恵】

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