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【大相撲】

常幸龍1勝目 7連敗のトンネル抜けた

2013年5月20日 紙面から

常幸龍(右)が寄りきりで若の里を破る=両国国技館で(河口貞史撮影)

写真

◇夏場所<8日目>

(19日・両国国技館)

 7日目まで全敗だった常幸龍(24)=木瀬=と、大喜鵬(24)=宮城野=がともに勝って、初日を出した。横綱白鵬は阿覧を寄り倒し、自ら持つストレート勝ち越しの最多記録(1場所15日制定着以降)を27度目に伸ばした。横綱日馬富士は豊ノ島を押し倒して6勝目を挙げた。大関陣は稀勢の里が関脇豪栄道を一方的に押し出し、小結隠岐の海との熱戦を上手出し投げで制した鶴竜とともに8戦全勝とした。

 7連敗していても常幸龍の気迫は衰えていなかった。「どれだけ負けても、恥ずかしいことじゃない。気持ちだけでも頑張るところを見せたいですから」。ベテランの若の里をもろ手突きで起こし、痛む左足を気にすることなく前に出た。

 「よかった。笑えるようになりました」。長いトンネルを抜けると支度部屋で心からの笑みを浮かべた。

 日大相撲部2年の2008年に出場した全国学生相撲選手権大会で優勝。学生横綱に輝いた逸材だ。プロ入り後も史上1位となる27連勝の衝撃デビューを飾り、初土俵から史上1位タイの所要6場所で十両昇進を決めている。

 だが、再入幕した春場所前に左足首を負傷。今場所前の稽古でも「違う靱帯(じんたい)を痛めた」と本来の力を発揮できない。

 それでも、連敗を止めたいま、「意地でも勝ち越すつもりでやる」という心意気には誰もが「はなまる」をあげたくなるだろう。

 母・佐久間厚子さんは東京都北区で居酒屋「さくま」を営んでいる。同じ北区に「吉野家ホールディングス」の本社があり、そのグループ会社である讃岐うどんの「はなまる」が常幸龍を応援してくれているという。

 「はなまるの社員の方が母の店へ食べに来ていただいていて、番付が上がったら応援させてと言われました」

 師匠の木瀬親方(元幕内肥後ノ海)も「強くなったら、と言ってくれてます。心強いし、うれしいですね。強くなれば応援してくれる方も集まってくるんです」とはっぱをかける。

 毎日、病院で痛み止めの注射を打ち、場所入りしてからも痛み止めの錠剤を3錠。胃が荒れないように胃薬といっしょに服用する。

 「はなまるさんの化粧まわしとか、いいですよね」。今場所はともかく、いつかは大きなはなまるを咲かせる。 (岸本隆)

 

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