名古屋グランパスのDFダニエル(30)のボランチ起用プランが19日、浮上した。グランパスU−18との練習試合で後半から守備的MFとしてプレーした。ダニエルは今季、出場した試合ではDFしかしていない。チームは4連敗中。ダニエルのボランチ起用はトンネル脱出を懸けた思い切った奇策となる。試合はグランパスの控え組が5−2で弟分を退けた。
4年ぶりの4連敗を喫した鹿島戦から一夜明け、ストイコビッチ監督が早速新たな手を打った。控え組の練習試合で、前半は定位置のセンターバックに入っていたダニエルを、後半からボランチへシフト。ダニエルが実戦でボランチを務めるのは今季初めてだ。
相手のグランパスU−18は全員が高校生。体格や経験で大差があることは確かだが、ダニエルのプレーは終始安定していた。守備では再三相手ボールを奪取。DF時にはめったに打たないミドルシュートも披露した。
「オレはブラジルではボランチが本職だった。日本へ来てからは(主に)センターバックをしてきたけど、ボランチでも全く問題はない」。涼しげに自信を口にした。
ダニエルをボランチでテストした理由は守備面にありそう。最近6戦で5敗。そのうち3敗は逆転負け。カウンターなどで簡単に失点するシーンが目立ち、DF闘莉王も「守備意識を高めなければ勝てない」と語っている。
鹿島戦でピクシーはダニルソンと田口の両ボランチを後半途中でベンチへ下げている。戦術的な理由もあるだろうが、2人のプレーに100%満足していないことは明らか。ダニエルのボランチ起用は、少なくともディフェンス面では即効性が期待できる。
ダニエルは「忍耐力を持って苦しい状況を打開したい。チームを助けるためなら、オレはどこでもやる」と意気込む。22日のナビスコカップ新潟戦(瑞穂陸)は予選リーグ敗退が決まった後の消化試合で、ダニエルがボランチで本格的に試される可能性はある。ダニエル、ダニルソンの屈強な「ダニダニコンビ」が実現すれば、相手にとっては脅威だろう。 (木村尚公)
◆牟田、ヘッドで2得点
新人DF牟田が得点力の高さを見せた。練習試合の前半11分にCKからのヘディングで先制点を奪うと、後半にも再びCKからのヘッドでゴール。「しっかり下にたたくことができた」と振り返った。Jリーグ開幕の磐田戦(3月2日)に出場して以来、公式戦から遠ざかっている。22日の新潟戦へ「チャンスがあれば出たい」と意欲満々だ。
この記事を印刷する