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決意の田植え 旧警戒区域、田村・都路で3年ぶり
 | 旧警戒区域で事故後初の田植えをする坪井さん(左)と祐一さん=18日、田村市都路地区 |
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東京電力福島第1原発事故による旧警戒区域、福島県田村市都路地区で18日、田植えが行われた。旧警戒区域内での出荷を前提にした田植えは事故後初めて。田植えをした農家は3年ぶりの再開を喜びながらも、「秋まで通い続けられるか不安」と話した。
都路町地区は第1原発から約15キロ。事故後、立ち入り禁止の警戒区域となり、昨年4月の再編で避難指示解除準備区域に指定された。日中は自由に立ち入りできるが、宿泊は認められていない。 水田は除染が終わり、イネの放射性セシウム吸収を抑えるカリウム肥料をまいた。出荷前には全袋検査を行う。 今年は3軒の農家が計6ヘクタールの水田に作付けする。このうち坪井久夫さん(62)は、約2.5ヘクタールに「ひとめぼれ」など3品種を植える予定だ。長男祐一さん(37)がトラクターで苗を植え付け、福島県警田村署員5人や、坪井さんのコメを事故前から買っていた仙台市の男性も手伝った。 坪井さんは「田んぼが青くなり、ようやく農業をやったという実感が湧いた」と笑顔を見せた。今後については「朝4時に仮設住宅を出て、田んぼまで車で1時間かかる。帰りは夜遅く、体力が持たない。週に何日か自宅に泊まれるよう市に要望したい」と話した。 県や農林水産省によると、原発の半径20キロ圏内に設定されていた旧警戒区域のうち、都路町地区以外では水田の除染が進んでいない。
2013年05月19日日曜日
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