台湾:原発建設中止の大規模デモ 台北に数万人
毎日新聞 2013年05月19日 20時38分(最終更新 05月19日 20時40分)
【台北・鈴木玲子】台北郊外に建設中の台湾電力第4原発の建設中止を求める大規模なデモが19日、台北市の中心部であった。環境保護団体などが呼びかけ、野党・民進党の幹部を含め、数万人が参加した。東京電力福島第1原発の事故後、地震多発地帯の台湾では原発の安全性を懸念する声が高まっている。立法院(国会)では与党・国民党が提案した第4原発建設中止の是非を巡る住民投票実施案が審議中で、今月下旬にも同案が採決される可能性がある。
デモは市中心部約6キロを行進した後、総統府前で集会を開き、「原発即時廃止」などとシュプレヒコールを上げた。大規模な反原発デモは3月9日以来。
日本企業の原子炉などを採用した同原発は、住民投票実施案の審議により工事が中断。馬英九総統は電力の安定供給の必要性を訴えている。野党側は、馬政権が低投票率などで住民投票が不成立となる結果を受けて建設再開に踏み切ると警戒している。