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【社会】

敦賀「直下は活断層」断定 規制委チーム

2013年5月16日 07時04分

 日本原子力発電(原電)敦賀原発2号機(福井県敦賀市)の直下にある「D−1破砕帯(断層)」を調べていた原子力規制委員会の専門家チームは十五日、この断層を活断層だと断定する報告書をまとめた。国は活断層の上に原発の重要施設を造ることを認めておらず、2号機の再稼働は極めて難しくなり、原電は廃炉を迫られる公算が大きくなった。

 規制委は六つの原発で活断層調査を進めているが、報告書がまとまったのは初めて。報告書は二十二日の規制委定例会合で、今後、原電が敦賀2号機の再稼働申請を出しても受け付けず、運転再開を認めないことを確認する見通し。

 チームの座長役の島崎邦彦委員長代理は「これまで安全性が低い状態だった。事故が起きなかったのは幸いだ」と述べた。

 国の指針では、十二万〜十三万年以降に活動した可能性のある断層を活断層としている。

 専門家チームは、昨年十二月の現地調査から一貫して、2号機の北約三百メートルにある地層の変形した部分に着目。九万五千年前より少し古い年代に動いた痕跡があった。

 この変形は活断層で、2号機直下を走るD−1断層とずれ方などがよく似ていて、一連の構造としてつながっているとされた。このためD−1断層は活断層だと判断された。

 さらに、2号機から二百メートルしか離れていない活断層「浦底断層」が動いた場合も、D−1断層が同時に動く恐れがあるとした。

 原電は地層中の火山灰の自社調査データなどを基に、活断層ではないと主張してきたが、チームは「信頼性がかなり低い」「認定が不十分」などとして退けた。

 チームは1号機直下にある断層も、原電の調査結果を待って検討を始める。

 一方、原電は報告書を受け、「およそ科学的、合理的な判断とは言えない」との抗議文を専門家チームあてに出したが、チームの結論を覆すほどの新証拠を出すのは難しいとみられる。

 原電が保有する敦賀1号機と東海第二原発(茨城県東海村)はいずれも再稼働は厳しく、同社の経営悪化は避けられない。

(東京新聞)

 

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