【中崎太郎、多知川節子】旧日本軍の「慰安婦」だった韓国在住の吉元玉(キルウォノク)さん(84)と金福童(キムボットン)さん(87)が17、18の両日相次いで来日した。18日は広島県と沖縄県でそれぞれ支援団体が主催した集会に参加し、自らの体験を証言。集会後の記者会見では、戦時中の慰安婦制度について「必要」とされていたと発言した橋下徹・日本維新の会共同代表を批判した。
橋下氏のこれまでの発言吉さんは、広島県福山市で会見。橋下氏の発言について「被害者がまだ生きているのにひどいことを言う。本当に聞くに堪えない。人間なので誤ったことをすることはあるが、間違いを上塗りするような発言を繰り返している」と訴えた。24日には金さんとともに橋下氏に面会するが、吉さんは「少なくとも暴言は吐かないで欲しいと伝えたい」とも語った。
一方、金さんは沖縄県西原町で報道陣の取材に応じた。「(慰安婦制度が)必要だったと言うなら、国として制度をつくったと認めることになるのでは。(政治家として)真実を明らかにして解決と謝罪をすべきなのに、言うだけで何もしないのは、人間のすることではない」と批判。「今の政治家は戦争を知らない。楽なところからあれもこれもなかったと言う姿を見ると、日本の国民がかわいそうだ」と話した。
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朝日新聞社会部