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【編集局デスク】

いかなる状況でも

 夜、テレビニュースを見ていて「恥ずかしいね」と家人につぶやいたら同じ言葉が返ってきました。橋下徹大阪市長のことではなくもう少し前の話。

 日本政府は核兵器の非人道性を訴える共同声明に署名しませんでした。先月下旬、国際会議で七十カ国以上が賛同したにもかかわらず、です。

 「いかなる状況でも核兵器が再び使用されないことが人類生存のためになる」と記された声明。「いかなる状況でも」という表現が日本の安全保障政策と矛盾するため見送ったといいます。

 米国の「核の傘」に頼っている問題があるにしろ、「いかなる状況でも」使わないのは当たり前ではないですか。唯一の戦争被爆国である日本が、どうして拒むのでしょう。

 広島の地元紙・中国新聞の社説は、非核外交に背を向ける安倍政権を批判してこう結んでいます。

 「本当にこれが被爆国なのか。もはや政府には、そう名乗ってもらいたくはない」

 それから二週間後。憲法週間にちなんだ講演会で、「署名せず」の決定を憤る言葉に会場から拍手が起こった時、少し救われた気持ちになりました。

(名古屋本社編集局次長・佐藤亮)

 

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