2013.5.19 05:03

お見事!阪神・新井、スキつく足攻ホームイン

五回、新井は川原の暴投で二塁から一気に生還

五回、新井は川原の暴投で二塁から一気に生還【拡大】

 (セ・パ交流戦、阪神9-5ソフトバンク、2回戦、1勝1敗、18日、甲子園)泥だらけになったユニホームが、誇らしげに映える。大きな体を懸命に揺らし、三塁を蹴った。暴投の間に二塁から一気にホームイン。じりじりとにじり寄られるイヤな空気を、主砲が「足」で変えた。

 「(ボールが)一塁ベンチの方にいってくれて、角度的にいけると思った。大きく弾いたんでいくつもりだった」

 6-4で迎えた五回、先頭打者で四球を選んだ。二死から今季2度目の盗塁成功。藤井彰に対する川原の5球目のスライダーがワンバウンドすると、捕手の細川が大きく一塁側に弾いた。二走の背番号25は三塁を迷わず蹴り、そのままスライディングで生還。ベースを左手でタッチすると勢いのまま体を一回転させた。貴重な追加点を呼び込んだ。

 西岡、新井良、鳥谷の3発を「そのどれもが大きかった」と目を細めた和田監督が、もっとも称えたのが、この走塁だった。小嶋の乱調で2点差に迫られ、雲行きが怪しくなっていた。「スチールと暴投でかえった新井のあの1点が大きかった」と最敬礼だ。

 一回の重盗も含めて、2006年6月14日の楽天戦(フ宮城)以来となる、1試合5個の盗塁を記録。指揮官は「ミーティングでも、スキあらば行こうという話をしていた。きょうやっとタイガースらしい、ことし目指すものが出せた」と続けた。大和、鳥谷、俊介は想定の範囲内だが、クリーンアップを打つ新井も次の塁を狙っていく。和田野球の浸透度を示している。

 連続試合安打は「13」でストップしたが、チームの連敗を止めた新井は「スキあらば、というところでね。常に先の塁を狙っているから」と将と同じ言葉を口にした。ソックスをたくし上げたオールドスタイルで疾走するA砲の足も、虎の大きな武器となる。 (栃山 直樹)

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