撤去工事が進む県営荒瀬ダム(藤本発電所、八代市坂本町)で24日、工事現場の見学会があった。地域住民ら約100人が、コンクリートを削る大型削岩機や、現場周辺の水質状況を見て回った。
荒瀬ダムの下流で、県企業局の職員から工事状況について説明を受ける参加者たち=八代市
県企業局が工事の進み具合と撤去工法を理解してもらうため、昨年9月の工事開始以来、初めて開いた。
参加者は国道と工事現場をつなぐ工事用仮通路を渡り、水位低下設備の放流口(高さ4メートル幅5メートル)の掘削工事を中心に見学。企業局職員から、工事中に出るコンクリートの粉じん対策や、水位低下設備の設置目的などについて説明を受けた。
同市千丁町の農業坂井米夫さん(60)は「ダムが大きい分、掘削中の放流口は小さく見えた。球磨川の水で作物を育てているので、工事ではコンクリートの粉じんが川に流れ出ないように気を付けてほしい」と話した。
荒瀬ダムは、本格的なダムとしては全国初の撤去。工期は2017年度まで6年間を予定している。(樋口琢郎)
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