2007/02/18 (Sun)
■今月のメガストアは、『EVE burst error』が完全収録で遊べちゃうぞ!!(via RetroPC.NET)
なぜかRinRin王国より。
それよりYU-NOをWinに移植してくれ。98版はKディスクが壊れてて途中までしかプレーできなかったんだよ。
PC-9801版からのベタ移植ものなので、『EVE』のシリーズ展開については色々言いたいことがある旧来のファンでも全くモンダイございません。
やっぱり皆言いたいことはあるんだな(笑。 そして『悦楽の学園』までフォローしてるのにわらた。時系列マジメに考えてみると氷室恭子は30歳過ぎて女子高生に化けてることになるんだよね。
『〜burst error』はキャストの豪華さも含めてサターン版の出来が良かったので……と思ったが、すでにサターン自体がレガシーになっちゃってるな。ともかく一作目のシナリオは神懸かりとしか言いようがないので、未プレーの人は是非どうぞ。俺がシナリオ至上主義になったのはこのへんからかも。でも、「最初の謎解き」がショボいのでそこで止めちゃう人がわりと多いんだよね。惜しいことだ。
あと俺的には、『EVE the LOST ONE』のシナリオ書いたのが桜庭一樹ていう作家だったという話は初耳。聞き捨てならん。これ、「前作を超えて斬新なものを作ろうとして無茶しちゃった続編」という俺の大好きなジャンルだったのだが、当時は剣乃さんがとっくに退社してるなんて全然知らないもんだからガチでEVEの続編期待度MAXな状態でプレーしたわけですよ。まあ、もうそれはいいや。
『EVE burst error』ではいわゆるザッピングを突き詰めて二人の主人公の視点が完全に分離した独立シナリオになってて交互に進めていく「マルチサイトシナリオ」が最大のウリだったわけだが、『〜The LOST ONE』のどこが無茶だったかというと、同じ二視点のマルチサイトシナリオを採用しつつ、さらに「新しい」点として、片方の主人公が犯人! というネタをブチあげた点。ストーリー上の正統な主人公である、女捜査官の視点では、テロリストである暗号名「スネーク」の正体がわからない。容疑者は二人に絞られるが、一人は高校生(確か)の少年、もう一人は同じ捜査機関の同僚(確か)、と年齢も立場も全く違う二人であるにもかかわらず、どっちが本ボシかはなかなかわからない。
そして、もう一方のシナリオは「スネーク編」であり、まさにその正体不明のスネークが視点人物になって展開するのだが、マルチサイトシナリオシステムである以上、必ず二つのシナリオは交互にプレーされるのであり、もう一方でスネークの正体が明らかにならないうちに「スネーク編」はスタートする。したらそこでスネークが誰かわかっちゃうじゃん。と思いきや、これがわからないのだ。「スネーク」の一人称で、自宅のシーンや、知人と会って会話、などの私生活(?)描写がふんだんにあるにもかかわらず、プレーヤーにはその視点で見ている当のスネークが、すでに別シナリオで登場している二人のうちどちらなのかわからない、という状態で進行する。自分がその人物の一人称で書かれたシナリオをプレーしてるのにそれが誰だかわからない、という状態がしばらく続くのである。って今書いてて一体どんな風に書かれてたのか気になってきた(笑。 たぶんまだ持ってるはずだからやってみるか。
まあ視点人物が誰だかわからない仕掛け自体は、叙述トリックのミステリや、ノベルゲーなどでも見られるが、あの当時、オーソドックスなAVG形式において、それをメインの大ネタにして、すでに登場した二人のうちどちらかであることを明示した上であそこまで引っ張った、という試みの壮大さ、志の高さは誉めてやりたい。話の要所にムービーが挿入されるシステムだったので、遂にスネークの正体が明らかになる場面はムービーつまり第三者視点で観ることになり、しかもホントにギリギリ1秒前までどっちだかわからないという映画的な演出が巧かったのインパクトがあった。
まあ、一番大事なところをムービーにしちゃうのはマルチサイトシナリオ的には邪道だし、そもそもストーリーの真ん中あたり(たぶん)でスネーク編が終了してなくなっちゃうので、破綻してるのは事実なのだが、何度も書いてる通り俺はこういう「チャレンジブルな無茶そして豪快な失敗」は決して嫌いではないのである。むしろそこから先は全然印象に残ってなくて、最後のオチがどうしようもなかったってことしか覚えてない。
あのシナリオ書いた作家が、一体どんな小説書いてるのかは気になるところだ。
(追記)桜庭一樹ってこの人か。
名前は知らなかったし読んだことないけど、題名は知ってたり表紙に見覚えある本がかなりあるな。わりと売れっ子なのでは。意外。しかも女性。